[アミダ式:ボリュームプロファイルで市場を制す] レッスン13:失敗したオークション(Failed Auction)-市場の欠陥と隠れたトレードチャンス
1. 前回の復習:強い高値・安値と市場の決断力
前回レッスン12では、「強い高値・安値」と「弱い高値・安値」の違いを紹介ました。これは、サポートやレジスタンスの信頼性を見極める上で非常に重要な手がかりとなります。
強い高値/安値:大口注文が介入し、価格が力強く反転したポイント
弱い高値/安値:明確な反転がなく、じわじわと形成された不安定なポイント
この知識により、私たちは:
エントリー/エグジットの精度を高め
フェイクアウトを回避し
市場参加者(特に大口)の意図を読み取る力を養えます。
そして今回は、さらに深い視点で「フェイルド・オークション(Failed Auction)」について学び、市場が残した“修正されるべき痕跡”を発見していきましょう。
2. 相場とは「終わりなきオークション」である
🔄 オークション型価格形成の基本
金融市場は、常に買い手と売り手が「価格」を提示し合い、取引を成立させる、終わりのないオークションのような構造を持っています。
例えば:
上昇トレンドでは、買い手が次々と高い価格を提示していき
最後に1人だけが「一番高く」買い取ったところで、上昇が止まり下落が始まる
→ これが正常なオークション完了(Successful Auction)
3. フェイルド・オークション(Failed Auction)とは?
❓「オークション未完了」とは?
フェイルド・オークションとは、本来価格が反転すべきタイミングで、明確な最終参加者が現れずに突然反転してしまった状況を指します。
最も高い(または低い)価格で「最後の買い手/売り手」が現れず
取引が不完全なまま終了してしまう
その結果、市場に「未完了ゾーン=欠陥」が残ります
この未完了ゾーンは、後に価格が引き寄せられる「心理的な磁石」のような役割を果たします。
4. 市場がフェイルド・オークションに反応する仕組み
📌 価格は「未完了ゾーン」を補完しに戻る
フェイルド・オークションが発生すると、市場は「やり残し」を修正しようと動きます
価格が再びそのゾーンを試し、突破することでオークションが完了
→ その時点で「未完了 → 完了」へと切り替わります
🧲 磁石のように価格を吸い寄せる
フェイルド・オークションが上部にある場合:価格は上昇し、再テストしに行く可能性が高い
下部にある場合:価格は下落して、その未完了ゾーンを試す可能性が高い
このように、フェイルド・オークションは価格を引き寄せる構造的な理由があるのです。
5. 実戦への活用方法
✅ 利益の最大化
実例:
サポートからの強い上昇後、過去の高値(オレンジ枠)で一時停止
↳ 明確な反発がなかったため、フェイルド・オークションの可能性あり
このゾーンをただのレジスタンスと見て早期利確すると、伸びを逃すリスク
逆に「未完成の市場ゾーン」と捉えれば、
→ 価格は再テスト・上抜けの可能性が高い
判断結果: リスクを増やさず、利益目標を拡張できた
→ 価格はゾーンを突破し、利益が拡大
🚫 不要な損失の回避
エントリー時の原則:
買いエントリー時:直下にフェイルド・オークションがある場合はNG → 価格が下に吸い寄せられる可能性
売りエントリー時:直上にフェイルド・オークションがある場合はNG → 上に吸い寄せられて損切りのリスク
→ フェイルド・オークションの位置を常に確認することが、トレードの精度を上げます。
6. あらゆるトレードスタイルに対応可能
デイトレード: 30分足での確認が有効
スイングトレード: 日足レベルでの観察が推奨
フェイルド・オークションは、スキャルピング・デイトレ・スイングのどれにも対応可能で、あらゆる時間軸で応用できます。
7. まとめ & 次回予告
フェイルド・オークションは単なるテクニカルではなく、市場参加者の心理を映し出す“未完の物語”です。
市場は常にこの物語を完結させようと動くため、私たちはその流れに乗ることができます。
この知識によって:
価格が戻る可能性の高いポイントを事前に予測でき
利益目標をより現実的かつ大きく設定でき
無駄なエントリーを防止できます
🔜 次回(レッスン14)では、レッスン6~レッスン13の知識を統合し、プロップファームや機関投資家の視点に基づいた「組織的プライスアクション分析」の全体像をまとめます。
トレーディング戦略を組み立てるための「土台づくり」となる重要回ですので、お楽しみに!
Is it OK?