DAY 13:フィボナッチ – 押し目・戻り目を探る
FX
ここまで、移動平均線やオシレーター、一目均衡表など幅広いテクニカル指標を学んできました。
DAY 13では、「どこまで押し目(戻り)を待ったらいいのか?」を判断する際に便利なフィボナッチ分析について取り上げます。
チャートを観察する多くのトレーダーが、意識的・無意識的にフィボナッチのラインで利確や損切りポイントを判断しています。
さっそく、その基本と使い方を見ていきましょう。
1. フィボナッチとは?
- 語源:中世イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが広めた「フィボナッチ数列」に基づく比率。
- ゴールデンレシオ(黄金比):1.618…など、自然界や芸術など幅広い分野で見られる調和比率として有名。
- トレードへの応用:相場の押しや戻り、さらには上昇・下落幅の目安を測るために使われる。
2. フィボナッチリトレースメント (Fibonacci Retracement)
(1) 代表的なフィボナッチ比率
- 23.6%, 38.2%, 50.0%, 61.8%, 76.4%
- なかでも**38.2%, 50.0%, 61.8%**がよく使われます。
- 相場が一方向に動いたあと、“どこまで押し(戻り)が入るか”を予測する目安。
(2) 使い方の基本
- 直近の高値と安値を結ぶ
- 上昇トレンドなら、直近安値を起点に直近高値へラインを引く(MT4/MT5などには専用ツールがある)。
- 下降トレンドなら、直近高値を起点に直近安値へ。
- 重要比率ラインでの反発を狙う
- たとえば上昇トレンド中、価格が38.2%や50.0%、61.8%まで押してきたところで反発するケースが多いとされる。
- 損切りや利確目安を設定
- 「押し目買いなら61.8%割れで損切り」「38.2%や50.0%ライン付近で部分利確」など、明確なルールを作れる。
- 「押し目買いなら61.8%割れで損切り」「38.2%や50.0%ライン付近で部分利確」など、明確なルールを作れる。
(3) 注意点
- 「絶対に反発する」わけではなく、ラインを何度も行ったり来たりする場合もある。
- どの高安値を基準に引くかは裁量が伴うため、引き方によって結果が異なる。
- 他のテクニカルやローソク足のプライスアクションと合わせて使うのがおすすめ。
3. フィボナッチエクスパンション (Fibonacci Expansion)
(1) なぜエクスパンションを使うのか?
- リトレースメントが「押し目・戻り目を図る」のに対し、エクスパンションは「利確目標や次の到達点」を見積もるために使われる。
- 上昇トレンド中に押し目が終わったあと、“どこまで上値が伸びるか”を推測するのに便利。
(2) 使い方の基本
- 3点を指定する
- 起点(上昇なら安値)
- 直近高値
- 押し目終了と思われる安値(または戻り終了と思われる高値)
- 比率のライン
- 一般的な表示ライン:100%、138.2%、161.8%、200%など。
- 例:161.8%ラインが意識されやすい。
- 利確やターゲット設定に活用
- 「161.8%近辺までは伸びるかもしれない → その手前で利確を検討しよう」といった具体的なプランが作れる。
(3) 注意点
- 急騰・急落時はラインを軽々突破するケースもあれば、届かずに反転する場合もある。
- 直近の波形(高値・安値)の選択が曖昧だと精度が下がる。
- 他のサポレジラインや一目均衡表の雲、移動平均線などとコンフルエンス(重なり)があれば“根拠アップ”につながる。
4. フィボナッチを活かしたトレード例
(1) 上昇トレンドの押し目買い
- 直近安値(A)から直近高値(B)を結ぶフィボナッチリトレースメントを引く。
- 価格が**38.2% or 50.0% or 61.8%**付近まで押し、ローソク足の反発サイン(ピンバーなど)が出現。
- エントリーは反発を確認してから買い。損切りは61.8%割れや、直近安値下に設定。
- 目標は直近高値(B)のブレイク後、エクスパンションで算出した138.2%や161.8%近辺まで狙う。
(2) 下降トレンドの戻り売り
- 直近高値(X)から直近安値(Y)を結ぶフィボナッチリトレースメント。
- 価格が38.2%や50.0%ラインに戻ってきて、移動平均線の傾きも下向きのまま。
- そこで陰線の包み足などが現れたら“売り”を検討。
- 損切りは61.8%ラインの少し上へ、利確は新たな安値更新を狙う or 部分利確。
(3) 自動売買(EA)でのフィボナッチ活用
- フィボナッチを自動検知し、押し目・戻り目をトレードするロジックを組むことも可能。
- ただし、どの高安値を採用するかの裁量部分をどうコード化するかが課題になる。
5. メリット&デメリット
メリット
- 具体的な数値目標を設定しやすい
- 「ここまで下がったら押し目」「ここを超えたら次はあのライン」など、プランが明確になる。
- 多くのトレーダーが意識
- 特に61.8%や50%など、投機筋や機関投資家も注目していることが多くサポレジとして機能しやすい。
- シンプルに引ける
- チャートツールに標準装備されており、線を1本引くだけで複数のフィボナッチラインが瞬時に表示される。
- チャートツールに標準装備されており、線を1本引くだけで複数のフィボナッチラインが瞬時に表示される。
デメリット
- ラインが多く、どこを重要視すべきか迷う
- 23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%…と複数ラインが出現するため、“どこで反応するか”の絞り込みが難しい。
- 高値・安値の選定に主観が入る
- “ここを起点に引くべきか?”が人によって違い、騙しも出やすい。
- 相場が乱高下するとあっさり突破
- 指標発表時や急変動ではラインが機能しづらいケースがある。
- 指標発表時や急変動ではラインが機能しづらいケースがある。
6. まとめ & 次回予告
まとめ
- フィボナッチリトレースメントは、押し・戻りの目安として代表的な38.2%、50.0%、61.8%などを活用する。
- フィボナッチエクスパンションは、利確ポイントや上昇/下落の到達目標を測るのに便利。
- どの高安値を選択するかで結果は変わるため、ローソク足の確定や他のテクニカルとの組み合わせで“根拠の重なり”を探すのが効果的。
- 多くのトレーダーが意識するラインだけに、サポレジ機能が働きやすい反面、完全ではないので常に損切りやプランBを用意。
次回(DAY 14)のテーマ:テクニカル分析まとめ & 質疑応答
- DAY 8~13までの移動平均線、オシレーター(MACD含む)、ボリンジャーバンド、一目均衡表、フィボナッチを総合して振り返ります。
- それぞれの強みと弱みを再確認しながら、どう組み合わせると効果的か、よくある質問とともにまとめていきましょう。
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