DAY 12:一目均衡表 – 日本生まれの総合分析ツール
FX
DAY 11までで、移動平均線やオシレーター系指標、ボリンジャーバンドといった主要なテクニカル手法をひととおり学んできました。
今日のテーマは、日本が誇る総合分析ツール「一目均衡表」です。海外でも高い評価を受けており、“雲”を利用して相場の強弱や転換点を捉える独特の手法として有名ですね。
早速、その構成要素から見ていきましょう!
1. 一目均衡表の基本構成
一目均衡表は以下の5つの線で構成されます。
基準線
- ある一定期間の「(最高値 + 最安値) / 2」の平均値。
- 一般的には26期間(デフォルト設定)の高値と安値を使う。
- 相場の大きな方向性やバランスを示す重要ライン。
転換線
- ある一定期間の「(最高値 + 最安値) / 2」の平均値。
- 一般的には9期間(デフォルト設定)の高値と安値を使う。
- 基準線と比較的短い期間で算出するため、相場への追随性が高い。
先行スパン1(雲の一部)
- 「(基準線 + 転換線) / 2」を、26日先にずらして表示。
- 転換線と基準線の平均値がベースとなる。
先行スパン2(雲の一部)
- 「(過去52日間の最高値 + 最安値) / 2」を、26日先にずらして表示。
- 先行スパン1と先行スパン2の間が“雲”となる。
遅行スパン
- “現在の終値”を、26日過去にずらして表示したもの。
- 過去のローソク足との位置関係を見ることで、相場の強弱や遅れを確認。
2. “雲”をどう見るか?
一目均衡表の最大の特徴のひとつが、この**「雲」**(先行スパン1と先行スパン2の空間)です。
- 価格が雲の上にある:上昇相場、買い優勢
- 価格が雲の下にある:下降相場、売り優勢
- 価格が雲の中:方向感が曖昧、レンジ状態 or 転換期の可能性
雲は、単なるサポート・レジスタンスとして機能するだけでなく、雲の厚みがその後の相場の強弱を示すこともあります。
- 雲が厚いほど“強力な抵抗帯”になりやすい。
- 雲が薄い部分は、価格が上抜きやすい(下抜きやすい)。
3. 一目均衡表の基本的な使い方
(1) 転換線と基準線のクロス
- 買いシグナル:転換線が基準線を下から上に突き抜ける(“転換線 > 基準線”になる)
- 売りシグナル:転換線が基準線を上から下に突き抜ける(“転換線 < 基準線”になる)
注意点
- 転換線と基準線のクロスだけだと“ダマシ”も多いため、雲の位置や遅行スパンの位置も合わせてチェック。
(2) 遅行スパンの位置とローソク足との関係
- 価格より上に遅行スパンがある:過去に遡ってみても、今の値段は上昇優勢
- 価格より下に遅行スパンがある:今の値段は下降優勢
- ローソク足を下から上に突き抜け:買い優勢になる初動として注目することも。
(3) 雲を使ったサポレジ判断
- 価格が雲の上辺(先行スパン1 or 2)付近で反発上昇 → サポートされやすい
- 価格が雲の下辺付近で上値を抑えられる → レジスタンスになりやすい
- 雲自体が未来の一定期間先まで表示されるので、今後のサポレジ予測としても役立つ。
4. トレンド継続&転換を捉える例
(1) 好転・逆転
- 好転:価格が雲より上にあり、転換線 > 基準線、遅行スパンも価格より上。
- “三役好転”と呼ばれる状態で、強い買い相場が継続する可能性が高いとされる。
- 逆転:価格が雲より下に位置し、転換線 < 基準線、遅行スパンが価格より下。
- “三役逆転”とも呼ばれ、強い下落相場が想定される。
- “三役逆転”とも呼ばれ、強い下落相場が想定される。
(2) 雲抜けを狙った順張り
- 価格が雲の下から上へ抜けたら、上昇トレンドへの転換シグナルとして買いエントリーを検討。
- 雲抜けがダマシに終わった場合、すぐに雲の中に戻ってきたら損切りする、などルールを明確にしておく。
5. 一目均衡表のメリット&デメリット
メリット
- 視覚的に相場全体がつかみやすい
- 転換線・基準線のクロス、遅行スパンの位置、雲の厚みなど、多くの要素を一度に見られる。
- 中長期的なトレンドを判断しやすい
- 雲は26日先、遅行スパンは26日過去にずらして表示されるため、広い時間軸での相場観をつかむのに向いている。
- 海外でも人気が高く、マーケット全体が注目
- 欧米のトレーダーにも一目均衡表ファンが多く、雲が実際にサポレジとして機能しやすい。
- 欧米のトレーダーにも一目均衡表ファンが多く、雲が実際にサポレジとして機能しやすい。
デメリット
- 表示がやや複雑
- 5本の線+雲の概念に慣れるまで時間がかかる。
- 遅行性がある部分も
- 特に基準線や雲は過去の高値・安値をベースにしているため、急変動の初動では追随が遅れる可能性。
- 短期トレードには不向きな面
- 9日・26日・52日など中長期前提の期間設定がデフォルト。スキャルピングには大きく設定変更が必要。
- 9日・26日・52日など中長期前提の期間設定がデフォルト。スキャルピングには大きく設定変更が必要。
6. 応用:他インジケーターと組み合わせる
- 一目均衡表+MACD
- MACDでトレンドの勢いを補完し、一目均衡表の“雲抜け”とタイミングを合わせる。
- 一目均衡表+RSI
- 雲上抜けの順張りを狙いつつ、RSIが過熱状態にないかをチェックして無謀なエントリーを避ける。
- 一目均衡表+移動平均線
- 期間の短いMAで短期的な方向性を補完し、雲抜けの判断を精緻化するケースも。
- 期間の短いMAで短期的な方向性を補完し、雲抜けの判断を精緻化するケースも。
7. まとめ & 次回予告
まとめ
- 一目均衡表は、基準線・転換線・先行スパン1・先行スパン2・遅行スパンという5つの要素で構成される総合指標。
- 雲の位置関係や遅行スパンのローソク足に対する位置によって、相場の強弱や転換の可能性を判断。
- **三役好転(逆転)**など、複数の好転条件が揃ったときはトレンド継続が強く示唆される場合が多い。
- 少し表示が複雑だが、慣れるとトレンドの大局把握に非常に役立ち、海外でも注目度が高いツール。
次回(DAY 13)のテーマ:フィボナッチ – 押し目・戻り目を探る
- 次は“黄金比率”でおなじみのフィボナッチ分析に進みます。
- 相場の押しや戻りがどこまで進むのかを推測する際のヒントとして、フィボナッチリトレースメントやエクスパンションの使い方を詳しく見ていきましょう。
- 他のテクニカルと組み合わせることで、根拠のあるエントリー・エグジットを狙いやすくなりますよ!
自動売買に興味がある方は↓コチラもよろしくお願いします。
https://www.gogojungle.co.jp/users/147322/products
お役に立ちましたら、「続きを読む」を押して頂けると幸いです。
よろしくお願いします。
×![]()
Is it OK?