[アミダ式：ボリュームプロファイルで市場を制す]レッスン23：Volume Setup #3 (Rejection Setup) 反発セットアップ – 強力な「拒否」シグナル

「市場が明確に『ノー』と告げる時 – その声に耳を傾け、断固として行動せよ。」

1. 知識の連携

私たちはこれまで、出来高プロファイルに基づいた以下の戦略を探求してきました。

• レッスン21: 出来高集中セットアップ – 横ばいのレンジ相場での出来高蓄積エリアを見つけ出す戦略です。

• レッスン22: トレンドセットアップ – 進行中のトレンド内で出来高集中エリア（AOC）を見つけることで、取引の幅を広げました。

しかし、市場は常にスムーズに動くわけではありません。時には、特定の価格レベルで、価格が極めて強く、突発的な反応を示すことがあります。これは、買い手または売り手からの決定的な「拒否」（Rejection）を示唆するものです。

では、これらの「拒否」シグナルが持つ圧倒的な威力を、私たちはどのように認識し、迅速かつ効果的なエントリーへと繋げることができるのでしょうか？

2. 反発セットアップ – 「強力な拒否シグナル」とは何か？

「反発セットアップ (Rejection Setup)」は、以下の点に焦点を当てた取引戦略です。

• 市場が極めて強い「拒否」を示している価格帯や特定の価格レベルを特定します。この拒否は、プライスアクションと出来高の組み合わせによって明確に表れます。

• 拒否シグナルが確認された直後にエントリーし、強力な反転またはトレンド継続の動きを期待します。

この戦略の核心にある考え方:

反発セットアップとは、市場がある価格レベルや価格帯を「明確に拒否している」というメッセージを発したときに、迅速かつ決断力を持って反応することにあります。これは、大口資金がその圧倒的な力を見せつける瞬間であり、私たちはその勢いに乗る方法を探します。

3. 「反発セットアップ」を見つける3つのステップ

1：価格が拒否されたエリアを特定する まず、チャート上で明確な価格の拒否を示すローソク足のパターンを探します。

• ピンバー（Pin Bar）： 短い実体と非常に長いヒゲを持つローソク足。価格が強く押し戻されたことを示します。

• 包み足（Engulfing Bar）： 前のローソク足を完全に包み込む大きなローソク足。強い方向転換のシグナルです。

これらのシグナルは、通常、既存のサポート/レジスタンス、POC、またはAOCといった重要な価格帯で出現します。

2：出来高プロファイルで拒否エリアを測定する 拒否のローソク足またはローソク足の集まりに出来高プロファイルツールを適用します。目的は、この拒否されたエリア内にある出来高の集中ポイントを特定することです。これは、POC（Point of Control）またはAOC（Area of Control）として現れます。

3：指値注文（Limit Order）を置く 拒否エリア内の出来高が集中しているゾーンを特定したら、その地点で指値注文を置きます。これにより、価格がそのゾーンに戻ってきたときに、より有利な価格でエントリーできます。

• 買い（Buy Limit）注文を置く時：価格が下落を拒否された場合（下ヒゲが長いピンバーまたは強気の包み足が出現）。

• 売り（Sell Limit）注文を置く時：価格が上昇を拒否された場合（上ヒゲが長いピンバーまたは弱気の包み足が出現）。

 反発セットアップでの取引戦略

このセットアップをあなたの取引にどう落とし込むかを見ていきましょう。

• エントリーポイント (Buy Limit / Sell Limit)： 拒否エリア内の出来高が集中しているゾーン（POC/AOC）を特定したら、その価格帯で指値注文を置きます。

• 下落を拒否された場合（買い注文）： その拒否ローソク足内で測定したPOC/AOCの領域に買い指値（Buy Limit）注文を置きます。

• 上昇を拒否された場合（売り注文）： その拒否ローソク足内で測定したPOC/AOCの領域に売り指値（Sell Limit）注文を置きます。

• 損切り (Stop Loss): 損切りは、拒否のローソク足のヒゲのすぐ外側に設定します。この位置は、市場があなたの見解と反対に動いた場合に、迅速に損失を限定するための論理的なポイントです。

• 利益確定 (Take Profit): リスクリワード比率（RR）を1:1.5から1:2に設定します。また、次の主要なPOC、AOC、またはサポート/レジスタンスレベルを目標として設定することも有効です。

4. なぜ反発セットアップは「極めて強力な」シグナルなのか？

この戦略が特に効果的である理由は以下の通りです。

• スマートマネーの直接的な介入を反映: 出来高が急増した強力な「拒否」ローソク足が出現するとき、それは大口の機関投資家が、特定の価格レベルを守るため、またはトレンドを反転させるために、莫大な資金を投入したことを示しています。

• 明確かつ即座のシグナル: 反発セットアップは、通常、明確なエントリーポイントをすぐに提供します。

• 魅力的なリスクリワード比率: 損切りがヒゲのすぐ外側に設定されるため、リスクが厳しく限定されます。

• 重要なエリアでの高い信頼性: 強力なサポート/レジスタンス、POC/AOC、または重要なフィボナッチレベルで出現する場合、このシグナルの信頼性は飛躍的に向上します。

✅ 結論

反発セットアップ – 強力な「拒否」シグナルは、市場から発せられる最も明確なメッセージを認識し、それに基づいて迅速に行動するための重要な戦略です。

プライスアクションと出来高を組み合わせ、市場の断固たる「拒否」を見つけ出すことで、あなたは市場が示す強力な反発力を活用し、潜在的に大きな価格変動に参加することができるでしょう。

👉 次回（レッスン24）では、 出来高プロファイル上の「空白地帯」を特定し、市場がそれらを「埋め戻す」傾向を利用する「出来高ギャップ・セットアップ」を探求します。

また次回のレッスンでお会いしましょう！