[アミダ式:ボリュームプロファイルで市場を制す]レッスン21:Volume Setup #1出来高蓄積エリアからのエントリー – 大口の足跡を追う「出来高集中セットアップ」
「市場のブレイクに焦って飛びつかず、大口投資家の足跡が残るのを辛抱強く待とう。」
1. これまでの知識を繋げよう
この戦略を理解するためには、以下の基本概念をしっかりと把握しておく必要があります。
POC (Point of Control): 最も取引された価格レベル。これは、「スマートマネー」(大口の資金)が最も活発に活動した場所を示しています。
AOC (Area of Control): POCを取り巻く価格コントロールゾーン。POCが一点の「指紋」なら、AOCはその指紋が見つかった「活動現場」全体です。これはエントリーポイントを探す上で非常に重要な手がかりとなります。
レンジ(Sideway/Range): 価格が一定の範囲内で横ばいに推移する時期。これは、大口投資家が次の大きな動きに備えて、ひっそりと買い集め(蓄積)や売り抜け(分配)を行っている「静かな戦場」と考えることができます。
これらの概念を理解することが、出来高プロファイルから得られる情報を具体的な取引戦略へと昇華させるための第一歩です。
2.「出来高集中セットアップ」とは何か?
出来高集中セットアップ (Volume Accumulation Setup) は、スマートマネーの蓄積活動を捉え、その後に続く市場の動きに乗り遅れないための戦略です。その本質は以下の通りです。
価格が横ばい(レンジ)で推移している期間中に、「出来高蓄積エリア (Accumulation Zone)」を正確に特定する。
価格がこのレンジを明確にブレイクアウトした後、そのブレイクアウトの方向に沿って取引を実行します。
この戦略の核心にある考え方:
私たちは、価格がレンジ内にある間に無闇にエントリーしたり、ブレイクアウトした瞬間に価格を追いかけたりしません。代わりに、価格がレンジから明確に抜け出したのを確認した上で、大口の資金が作り出した流れに「共に」市場に参入することを目指します。
3.「出来高集中セットアップ」を見つける4つのステップ
レンジ相場(Sideway)を見つける まず、チャート上で価格が狭い範囲で動き、高値と安値がほぼ一直線に並んでいる期間を探します。これは、市場が均衡状態にあることを示しています。
ブレイクアウトを待つ 次に、価格がこのレンジから明確にブレイクアウトするのを待ちます。本物のブレイクアウトは通常、出来高の急増を伴い、大口資金の参入を示します。
出来高プロファイルでエントリーポイントを探す 価格がブレイクアウトした後に、出来高プロファイルツールを使って、レンジ全体を測定します。これにより、正確な出来高集中エリア(AOC)とコントロールポイント(POC)を特定します。
指値注文(Limit Order)を置く 価格が、先ほど特定したAOCやPOCにリテスト(戻ってきて再確認)するのを待ち、その時点で行動を起こします。
上昇ブレイクアウトの場合: AOC/POCの領域に買い指値(Buy Limit)注文を置きます。
下降ブレイクアウトの場合: AOC/POCの領域に売り指値(Sell Limit)注文を置きます。
「出来高集中セットアップ」での取引戦略
エントリーポイント: ブレイクアウト後の最初の戻り(リテスト)を待ってエントリーします。これにより、ブレイクアウトが本物であることを確認し、より有利な価格でエントリーできます。
上昇ブレイクアウトの場合: ブレイクしたレンジのPOCまたは直近の高出来高ノード(HVN)に買い指値(Buy Limit)注文を置きます。
下降ブレイクアウトの場合: ブレイクしたレンジのPOCまたは直近の高出来高ノード(HVN)に売り指値(Sell Limit)注文を置きます。
損切り (Stop Loss): レンジ内の直近の安値/高値、または直近の低出来高ノード(LVN)の下/上に設定します。
利益確定 (Take Profit): リスクリワード比率(RR)を1:1.5から1:2に設定します。
4.なぜPOCよりもAOCを優先すべきなのか?
この点は、成功への鍵となる重要なヒントです。
POCは「罠」になりやすい: POCは出来高が最も集中しているため、魅力的ですが、機関投資家が意図的に「見せかけの流動性」を作り出し、個人投資家を「罠」にはめる場所となることがあります。
AOCは「活動領域」: 対照的に、AOCはPOCを含むより広範な「コントロール領域」を表します。これにより、エントリーにより柔軟な幅が生まれ、市場の小さなノイズによる早期の損切りを避けることができます。
実務的な反応: 実際の市場では、価格は特定のPOCに厳密にタッチしてから反転するよりも、AOC全体に対して反応を示すことが多いのです。
5.このセットアップにおける「出来高」の役割の深掘り
出来高は単なる補助指標ではありません。それは市場の「本音」を語る強力な声であり、このセットアップにおける成功の鍵を握っています。出来高は私たちに以下のことを教えてくれます。
いつ大口が注文を完了したか: レンジ内の出来高の集中は、機関投資家が次の動きに備えて十分なポジションを構築したタイミングを示唆します。
本物のブレイクアウトはいつか: ブレイクアウト時の出来高の急増は、単なる偽のブレイク(フェイクアウト)ではなく、実際に大口の資金が価格を動かし始めたという確認シグナルです。
これらの情報を読み解くことで、あなたは大口の資金の流れ「スマートマネー」と「共に」取引することができます – 無闇に彼らに逆らうのではなく。
✅ 結論
出来高集中セットアップは、市場の価格を追いかけるという衝動的な行動を避け、スマートマネーが明確な足跡を残した場所で冷静にエントリーするための、洗練された戦略です。
出来高の読み方を習得すれば、新しい強力なトレンドが始まる前に、あなたは他のトレーダーに比べて圧倒的な優位性を手に入れることができるでしょう。
👉 次回(レッスン22)では、 引き続きトレンド内での出来高分析に焦点を当て、「トレンド・セットアップ – トレンド内におけるエリア・コントロール」を探求します。これは、横ばいを待つことなく、進行中のトレンドの最中に安全にエントリーするための戦略です。
もし何かさらに調整したい点があれば、ぜひ教えてくださいね。
Is it OK?