DAY 17:EAと通貨ペア選択―特徴を踏まえた運用戦略
前回(DAY 16)は、EAを運用する際にどの時間足をメインにするかを検討し、短期足・長期足それぞれのメリット・デメリットを見てきました。
今回は、通貨ペアの選択について焦点を当ててみましょう。
同じロジックでも、扱う通貨ペアによって収益性やリスクが大きく変わるのは珍しいことではありません。
ここでは、主要通貨ペアからマイナー通貨ペアまで、どのように見極めてEA運用戦略を立てていくかを整理します。
通貨ペアのボラティリティとEAの相性
通貨ペアごとに値動きの特徴は様々です。
特にボラティリティ(値幅の大きさ)や流動性の高さは、EAがどれだけエントリー・決済のチャンスを得られるかに影響する重要な要素です。
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主要通貨ペア(EUR/USD, USD/JPY, GBP/USDなど)
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流動性が高く、スプレッドが狭い傾向にあります。
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ボラティリティは中程度~高めで、安定的にトレードチャンスが出やすい。
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スプレッドコストが少ないので、スキャルピング系EAとも相性が良いことが多いです。
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マイナー通貨ペア(AUD/JPY, NZD/USD, CAD/JPYなど)
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主要通貨ペアよりはスプレッドがやや広めになりやすいです。
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独自の値動きが出る場合もあり、主要通貨と相関が低いとされることも。ポートフォリオ運用での分散効果を狙うには注目できます。
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エキゾチックペア(TRY/JPY, ZAR/JPYなど)
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高スワップを魅力に感じる方もいますが、値動きが荒く流動性も低めで、短期急変動が起こりやすい傾向。
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スプレッドがかなり広いこともあるため、スキャルピングEAなどは苦戦しがち。リスク管理を徹底しないと大損失につながる可能性があります。
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スプレッドコストとトレード頻度
スキャルピングやデイトレ系EAのように取引回数が多い場合、スプレッドコストの影響は無視できません。
スプレッドが広い通貨ペアを使うほど、勝率や利益率が悪化するリスクが高まります。
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薄商いの時間帯は注意
EUR/USDなど主要通貨ペアでも、アジア時間の早朝や土日明け直後はスプレッドが一時的に広がることがあります。EAの稼働時間制限を検討するのも一つの手。 -
ボラティリティとのバランス
ある程度値幅を獲得できるロジックなら、スプレッドがやや広めでも相殺できる場合があります。
逆に数pipsの小幅利確を狙うEAは、スプレッドが大きい通貨ペアでは苦戦しがちです。
相関関係とポートフォリオ
複数通貨ペアを扱うEAを組み合わせるときは、通貨ペア同士の相関を意識してみると分散効果を高められます。
同じドルストレート同士は相動きする傾向が強いため、相場によっては一斉に含み損が膨らむケースもあり得ます。
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ドルストレートに偏りすぎない
USD/JPY、EUR/USD、GBP/USDばかり運用していると、ドル絡みのニュースや経済指標で似た動きになることも。 -
クロス円のボラティリティ
特にクロス円(EUR/JPY、GBP/JPYなど)は変動が大きく、損益が派手に振れやすい傾向です。上手くハマれば利益も大きいですが、リスク管理が甘いと危険が伴います。 -
コモディティ通貨(AUD, NZD, CAD)の特徴
資源価格や中国経済の影響など、別の要因で動くことが多く、ポートフォリオとして面白い可能性もありますが、トレンドが急変することも多いため注意が必要です。
EAロジックとの相性をテストする
どの通貨ペアを選ぶかは、最終的にはEAのロジック特性との兼ね合いで判断します。
バックテスト・フォワードテストを通じて、「このEAはGBP/JPYの急激なブレイクが得意」「USD/CHFでは思ったほど利益が伸びない」などの傾向を掴むことが大切です。
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主要通貨で結果が安定しているEAを軸に
流動性が高くスプレッドが狭い通貨ペアでしっかり稼働するEAは、運用の柱になりやすいでしょうか。 -
複数通貨対応EAの検証
同じロジックを複数通貨で稼働させる場合は、通貨ペア別のドローダウンや勝率をこまめにチェックし、ロット配分を調整するなどの最適化が求められます。
今日のまとめと次回予告
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通貨ペアによってスプレッド、ボラティリティ、流動性が異なり、EAの得意・不得意が顕著に表れる
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主流のドルストレート、クロス円、コモディティ通貨、エキゾチック通貨など、それぞれに特有のリスク・メリットが存在
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ロジックのバックテスト結果や相関関係を踏まえ、ポートフォリオとして複数ペアを組み合わせれば、リスク分散と収益安定が期待できる
次回(DAY 18)は、**「裁量+EAのハイブリッド運用―管理方法とメリット」**をテーマに、トレーダーの裁量判断を一部残しつつEAを活用する手法や、どのように併用すればより安定した成績が狙えるかについて解説していきます。EAを使うにも、「全部自動」だけが答えではないかもしれません。
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各EAの通貨ペア適性やバックテスト結果をご確認いただくことで、運用イメージがより具体的になるかと思います。
それでは、次の記事に進んで**「裁量+EAのハイブリッド運用」を考えてみましょう。
ぜひ「続きを読む」**を押して、一緒に深く学んでいきましょう。
Is it OK?