DAY 15:EAの運用環境―VPSやネットワークの安定性を考える
前回(DAY 14)は、EAにおける損切りとリスクリワード設定の重要性を学びました。
今回は、EAを24時間稼働させるうえで欠かせない運用環境のお話です。
どんなに優秀なロジックを搭載していても、ネットワーク障害や端末のトラブルによってEAが停止してしまうと、思わぬ損失やチャンスロスが発生するかもしれません。
安定的な運用を実現するために、VPSの活用や通信環境のポイントを押さえておきましょう。
EA運用における「24時間稼働」の必要性
EA(Expert Advisor)は、自動売買として相場を常時監視し、条件が揃えば即エントリーや決済を行う仕組みが基本です。
そのため、多くのEAは24時間継続して稼働させることを前提に設計されています。
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夜中や早朝のトレード機会を逃さない
一度自動化してしまえば、裁量トレードのように張り付く必要はありません。自分が睡眠中でもEAは動き続け、ロジックどおりのタイミングでトレードを実行します。 -
ネット切断や停電リスクを考慮
自宅PCを常時オンにしていても、インターネットの不調や電源トラブルが起きるとEAが止まってしまいます。信頼性の高い稼働環境を確保する手段として、VPSの利用が注目されています。
VPS(仮想専用サーバー)とは
VPS(Virtual Private Server)は、遠隔地のデータセンターに設置されたサーバーを、自分専用の仮想環境として使用できるサービスです。
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常時稼働の安定性
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停電やハードウェアの故障に備えた設備が整っており、通常の自宅環境よりも稼働率が高い傾向にあります。
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ネットワークも高速で安定していることが多く、通信遅延(レイテンシ)の面でメリットを感じられるでしょう。
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リモートアクセスで操作可能
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自宅PCやスマートフォンからリモート接続し、MT4/MT5を自由に操作できます。
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設定変更やEAの停止・再稼働なども、遠隔で行えるため便利です。
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費用面の考慮
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VPSは月額利用料がかかります。安定した電源と通信を確保できる分のコストとして考えると、**「EAが狙う利益に対して費用対効果が見合うか」**を判断材料にすると良いでしょう。
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VPS選びのポイント
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CPU・メモリなどのスペック
MT4/MT5が複数同時稼働する場合、CPUコア数やメモリ容量が十分にあるか確認します。数多くのEAを走らせるなら、やや余裕のあるプランが安心です。 -
通信遅延(ピン)
ブローカーのサーバー所在地とVPSとの地理的距離によって、注文約定のスピードが変わる場合があります。
可能ならブローカーに近い(あるいは提携している)VPSを選ぶと、スリッページ軽減が期待できるかもしれません。 -
運用実績とサポート体制
FX専用VPSとして実績があるサービスや、障害発生時のサポートがしっかりしている業者を選ぶのが無難です。
自宅PC vs VPSの比較
項目 | 自宅PC運用 | VPS運用 |
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稼働率 | 停電やネット障害で止まるリスクがある | データセンターの安定稼働が期待できる |
コスト | PC購入・電気代はあるが追加の月額費用は不要 | VPS利用料が必要。ただし安いプランも増えている |
運用管理 | 自宅にいないとトラブル対応が困難 | リモートアクセスでどこからでもメンテナンス可能 |
通信遅延 | 一般的な家庭回線なので速度や安定性は環境による | 高速回線が常時利用可能な場合が多い |
拡張性 | 自前のPCスペックに依存 | スペックを段階的にアップグレードしやすい |
自宅PCで24時間運用するメリットもありますが、停電対策やネットワーク切断、ハードウェアの寿命などを考えると、長期的にはVPSの方が安心感を得やすいかもしれません。
今日のまとめと次回予告
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EAを常時稼働させるには、安定した電源・ネットワーク環境が欠かせない
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VPSを利用すれば、停電やネット切断リスクを抑えられ、トラブル対応がリモートでスムーズに行えるメリットがある
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運用コストやスペック、ブローカーとの距離などを考慮して最適な環境を選ぶことが、EAパフォーマンスの最大化につながる
次回(DAY 16)は、**「EAと時間足の選択―長期足・短期足のメリットとデメリット」**をテーマに、どの時間軸をメインにするかによる運用スタイルの違いを考えてみましょう。短期足で頻繁にトレードを行うのか、長期足で安定を狙うのか、迷われる方も多いのではないでしょうか。
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安定した環境で稼働させることで、EAの本来のパフォーマンスを存分に発揮できる可能性が高まるでしょう。
次の記事では、時間足という観点からEA運用スタイルを整理していきます。
ぜひ**「続きを読む」**を押して、さらに知識を深めていきましょう。
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