【フィボナッチ実戦ノート】第8回:MTFでフィボナッチを駆使する
第2部が終わりました。ここからは第3部です
前回まで、レベルの意味・起点の選び方・狙うレベル・組み合わせ・反応の確認と見てきました。第2部は、ひとつの時間足の中でどう判断するか、という話でした。
第3部は、そこに時間足という軸を足します。今回のテーマは、MTF(マルチタイムフレーム)です。
大・中・小、3つの時間足で役割を分ける
MTFの考え方は、シンプルです。大きい時間足で方向を決めます。中くらいの時間足で波の形を読みます。そして、小さい時間足でタイミングを取るんですね。
たとえば、4時間足で上昇トレンドだと分かったとします。そこで、1時間足に切り替えて押し目の波を探します。最後に、15分足まで落として、反発のタイミングを計る。この3段階です。
他にも分かりやすい合図があります。移動平均線の並び(短期線・中期線・長期線の順)に注目してみてください。これが、上位足でも下位足でも同じ向きに揃った瞬間があります。これを「パーフェクトオーダー」と呼びます。大きい流れと小さい流れが、同じ方向を向く瞬間も一つの目安になります。
フィボナッチをMTFで使う、具体的な手順
やり方は意外と単純です。
まず、長期足でフィボナッチを引きます。たとえば、100.00円から103.00円まで上昇したとします。61.8%戻しを計算してみましょう。103.00円から、300pipsの61.8%を引きます。答えは、101.146円です。
ここが肝心なところです。この101.146円という価格は、時間足を切り替えても変わりません。1時間足で見ても、15分足で見ても、同じ価格は同じ場所にあるはずです。「水準を下位足に落とす」というのは、要するにこれだけのことです。
長期足で算出した水準を覚えておきます。水平線を引いておくのもいいですね。そのうえで、短い時間足に切り替えます。あとは、前回の話につながります。101.146円付近で、ピンバーや包み足が出るかどうかを見るわけです。長期足の水準×短期足での反応確認、という組み合わせですね。
ここで、一つ注意しておきたいことがあります。時間足を渡り歩いて、都合の良い水準を探さないことです。4時間足、1時間足、日足と切り替えていくと、自分が期待する価格の近くに、何かしらのレベルが見つかってしまいます。それでは根拠ではなく、後付けの理由づけです。使う時間足をあらかじめ決めておき、MTFでの水準目安として活用するのが好ましいです。
大きい波と小さい波、2つのフィボナッチが重なることもあります
もう一つ、別の重ね方があります。大きい波と小さい波、それぞれに引いたフィボナッチのレベルが、近い価格に来ることです。
引き方は、こうです。まず、大きい波と小さい波が、同じ高値(または同じ安値)を共有している場面を探します。その1点を終点にします。あとは、起点だけを変えた2本のフィボナッチを引くんですね。
数字にしてみましょう。大きい波は、安値100.00円から高値105.00円(500pips)。この38.2%戻しは、103.09円です。
同じ105.00円の高値を、小さい波でも終点にします。小さい波の起点は、もう少し手前の安値102.00円(300pips)。この61.8%戻しは、103.146円です。
103.09円と103.146円。差は、わずか5.6pipsです。ぴったり一致してはいません。ですが、これだけ近ければ、この価格帯は強く意識されると考えられます。私も、大きい波と小さい波のレベルが近接する場面を、実際に見たことがあります。
ちなみに、この「複数のフィボナッチが重なる場所」という考え方は、海外の著名な手法(ディナポリ手法)でも、正式に体系化されているものです。私は、感覚的な話ではなく、根拠のある見方だと思います。
MTFでフィボナッチを引き、MTFベースで複数のフィボナッチが重なる場所を探すのも有効です。
まとめ:時間足は、対立するものではなく役割分担です
ここまでの話は、「どの時間足が正しいか」ではありません。それぞれの時間足に、それぞれの役割があるという話でしょう。
つまり、大きい時間足は方向を教えてくれます。小さい時間足は、タイミングを教えてくれます。片方だけでは、判断材料が足りない可能性があります。
私が使っているFTSは、時間足を切り替えてもフィボナッチのレベルと価格がそのまま表示されます。これのおかげで、時間足を切り替えても迷わなくなりました。
実際の画面や機能の詳細は、商品ページに載っています。
→ Fibonacci Trade System(商品ページ)
次回
次回は、フィボだけに頼らない分析について書きます。
これまでの回で、フィボナッチを軸にした判断材料をいろいろ見てきました。次は少し視点を変えて、フィボナッチが機能しにくい場面そのものに焦点を当てます。