仮想通貨相場分析【10月22日】
ビットコインの動向:緩やかな回復と市場の弱気な見通し
ビットコイン(BTC)は先週金曜日に一時105,000ドルの安値を割り込みましたが、今週はやや回復基調でスタートし、直近では11万ドルを突破しました。
ビットコイン恐怖強欲指数は34で推移しており、価格が11万ドルを超えたこともあり、指数はわずかに上昇を見せています。
しかしながら、市場全体としては依然として弱気なムードが漂っています。
この緩やかな価格の回復は、FRB(連邦準備制度理事会)のジェローム·パウエル議長が、FRBのバランスシート縮小(量的引き締め政策:QT)をまもなく停止する可能性があると示唆したことを受けた動きであると指摘されています。
これは、金融引き締め政策の終了が近い可能性を示唆するものとして市場に受け止められました。
イーサリアム(ETH)の現状と今後のイベント
次に、イーサリアム(ETH)は4,000ドルの節目となる価格水準で推移しており、やや上昇傾向にあります。チャートの動きを見ると、今年7月の上昇時の高値が意識され、その水準で価格が下支えされているような印象を受けます。
イーサリアムに関しては、12月に控えるアップグレードや、ステーキング機能付きETFの承認可能性といった複数の重要なイベントが今後予定されており、市場の注目を集めています。
XRPとZECの際立った高騰
その他の暗号資産では、XRP(リップル)が10億ドル規模の資金調達計画を発表したこともあり、時価総額トップ10の中では最も高い上昇率を記録しました。
また、特に本記事で以前から触れているZEC(ジーキャッシュ)の高騰が引き続き目立っています。大きな暴落時にもすぐに反発するなど、日次で16%もの上昇を見せるなど、極めて強い値動きを継続しています。これは、プライバシー技術への注目が集まる中で、ジーキャッシュがその主要なプロジェクトの一つとして評価されているためだと考えられます。
イーサリアムの創始者であるヴィタリク·ブテリン氏も、直接ジーキャッシュに言及したわけではありませんが、「イーサリアムにとって最も重要なものはプライバシーである」と発言しており、プライバシー技術の重要性が再認識されていることがうかがえます。
しかし、その流れを鑑みるに、ゼロ知識証明技術(zkEVM)において最も技術的に進んでいるとされる「zkSync」が、もっと注目を集めても良いのではないかという疑問も残ります。現状では、期待されるほどの関心は集まっていません。
アナリストの見解とブラックロックCEOの発言
米最大の取引所であるコインベースのアナリストは、第4四半期について「慎重ながらも楽観的なスタンス」をとっていると述べました。アナリストたちは、仮想通貨の強気相場には「まだ上昇の余地がある」と考えているようです。
個人的に気になる点として、常に強気姿勢であったブラックロックのCEOラリー·フィンク氏が、「ビットコインは悪くない資産であるが、ポートフォリオに割当すぎるのは良くない」と、これまでになく慎重な発言を始めたことが挙げられます。これは、現在の市場の複雑な心理を物語っているのかもしれません。
主要なニュースと動向
◯日銀が仮想通貨投資を検討
日本銀行が、仮想通貨への投資を認める方向で検討していることが明らかになりました。この動きは日本経済新聞でも報じられています。
·日本の金融当局は、銀行が仮想通貨資産に投資できるよう規制の見直しを検討しています。
·これにより、従来は制限されていた銀行の仮想通貨市場への参入が可能となる可能性を秘めています。
日本では、2017年から資金決済法をベースに暗号資産交換業を規制してきました。そしてここにきて、規制の枠組みを金融商品取引法へ移す動きが見られます。
銀行が仮想通貨を保管できるようになれば、機関投資家の資金流入などが期待されますが、日本は仮想通貨分野においては他国と比較して後進国といえる状況であり、どれほどのインパクトがあるかは未知数です。
日本が他国に先駆けてリーダーシップを発揮し、規制の枠組みを作っていく可能性は低いと見られますが、この国でも仮想通貨が少しずつ見直されてきている印象を受けます。
◯リップル(XRP)が10億ドルの資金調達計画
米リップル社(Ripple Labs)が、暗号資産XRP専門のDAT(デジタル資産トレジャリー)企業設立を目的として、10億ドル(約1,700億円)規模の資金調達を主導していると、ブルームバーグ(Bloomberg)が10月17日に報じました。
リップル社はこの資金調達により米国のトレジャリー企業を買収し、XRPを購入する方針を持っているようです。DAT(デジタル資産トレジャリー)は現在のトレンドですが、この動きがXRPにどれほどのインパクトをもたらすかは未知数です。XRPについては、その大部分をリップル社が保有しているという中央集権的なイメージが強く残っています。
この資金調達には、SBIから2億ドル、その他パンテラキャピタル(VC)やクラーケン(仮想通貨取引所)などからも参加が予定されているようです。
◯BTCはセール中ーアーサー·ヘイズ氏
著名投資家のアーサー·ヘイズ氏は、「$BTCがセール中だ」と発言しています。この米国の地域銀行の動揺が危機に発展すれば、2023年のような救済措置(紙幣の増刷)に備えるべきだとし、「余剰資金があるなら買い物に行こう。私はリストを用意したけど、みんなのリストには何がある?」と問いかけています。
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(本記事は2016年から配信をしております)
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