EAマニュアル 2025年以降作成分/TNK用
はじめに
当方で提供しているEAについて、使用方法やパラメータなどの共通する部分を解説いたします。
2025年以降に制作したバージョンが当てはまります。
EAの仕様や入手先によっては、機能が備わっていない、使わない、非表示等のパラメータもございます。またバージョンによっては、若干表記が異なります。
EA購入時に入手の説明書PDF(あれば)よりも、当記事が最新に更新されます。
以下に使われる説明や画像はMT5のもので、MT4版も共通です。異なる場合は特記しています。
EAセット方法
任意のFX通貨ペアのチャートにEAをドラッグ&ドロップすると、自動でEAの通貨ペア・時間軸のチャートに切り替わります。
(自動チャートセット機能)
そうすると、ローソク足の配色が変わり、中央にシンボル・時間軸・スプレッドが、右側にパラメータ設定類が表示されます。
それ以外は一般のEAセット方法と同じです。
右上には各種パラメータ設定値等が表示されます。
ロット「Lots」は、複利時のみ()内に設定リスク%が表示されます。
他、パラメータ詳細は、後述します。
簡易仕様説明
簡易な仕様をこちらで確認できます。
※MT4では「バージョン情報」タブ
制作工程上間違いやすい部分ですので、過信せずに簡易の確認用途でお願いいたします。
バー数は表記以上の設定でセットくださいませ。
パラメータ例
パラメータ・チャートコメント
※【】内はチャートコメントに表示される項目です。
1.基本設定
- マジックナンバー【Magic】
EAの識別番号。各ロジック違う値を設定してください。他EAと重複しますと、誤作動が起きます。 - ロット【Lots】
単利運用時のロット。デフォルトは推奨値ではありません。 - リスク%【―%】
複利運用時のリスク設定。
複利機能設定で選んだ項目に対する、最大SL損失の割合です。
・計算式 | 余剰証拠金(または残高)×リスク%÷(SL値×円換算)=複利ロット
・事例 | 設定「余剰証拠金」:余剰証拠金100万円、SL230、リスク10%設定で、0.43ロット
・計算例 | 1,000,000[余剰証拠金100万円]×0.1[リスク10%]÷(230[SL値]×1,000[円換算])≒0.43[ロット] - 複利機能【MM】
マネーマネジメント機能。3つから選択可能です。
・0:単利/固定
ロット固定で運用の場合は、こちらの「単利」をお選びください。
・1~2:複利
[1:余剰証拠金/2:残高]の中から選択の項目に対して、最大損失の%を設定してロット計算を行います。
・各複利のバックテストでは、仮計算で値を読み込みますので、実際の運用とはロット計算がずれる場合があります。
- マジックナンバー【Magic】
2.フィルター・トレード制御
- ポジション制御【Buy TP/SL : Sell TP/SL】
買い・売り・両方と、MT4では標準で搭載されている制御を、パラメータ化しました。標準搭載のないMT5でも、切り替え可能になります。
トレードを行わない場合は、TP/SL欄が暗転します。 - 両建て【Hedging】
EAにより、デフォルトの両建て仕様が異なります。
ブローカーによって禁止されている際等に、切り替えて対応することができます。 - 週末持ち越し【Carry-over】
EAにより、デフォルトの仕様が異なります。
「true」で持ち越し有り、「false」で持ち越し無しです。 - 日跨ぎ【1DayCarry-over】
「true」で持ち越し有り、「false」で持ち越し無しです。 - スワップ3倍停止制御【3xSwapTrade】
スワップ3倍曜日を内部で自動検索し、該当日の日替わり直前あたりからエントリーを回避します。EAにより、回避タイミングは異なります。 - 許容スプレッドPips【Spread Lim/Ave】
トレードを許可するスプレッド。
左側(Lim)の方に表示されます。「0」に設定すると、内部で計測されているスプレッドの平均(Ave)の表示に連動して、自動でセットされます。(詳細後述) - TP/SL Pips【Buy TP/SL Sell TP/SL】
TPとSLの値を変更できる場合は、パラメータ欄に表示され、変更可能になります。入力は原則Pips(1pips=10point)になります。
- ポジション制御【Buy TP/SL : Sell TP/SL】
3.補助機能
- トレード情報記録【Recording】
エントリー・決済・TP/SL・注文失敗と、それぞれ別に、スプレッド・スリッページ・レイテンシー等を算出し、csv出力します。(詳細後述) - 取引履歴線・pipsをチャートに表示【コメント下部に追加表記】
エントリーから決済までの取引履歴線と獲得pipsを、MT4の取引履歴分をチャートに表示します。バックテスト時も稼働可能です。
※バックテストのpips表示は、EAにより不可の場合あり
※「true」にしたまま運用を続けると、MT4の動作が重くなります。閲覧時以外は、「false」にすることを推奨します。 - 通知用コメント修正【OrderComment】
こちらが「false」の場合、内部で設定されているデフォルト文字列が参照されます。「true」にすると、次の4のパラメータで設定した文字列が採用されます。
※運用しているとふとコメントが消失することがあります。
その際、トレードに不具合が出る可能性があるため、このような段階を踏んだ設定といたしました。 - 通知用コメント【OrderComment】
3で「true」とした場合、こちらのコメントが反映され、チャートコメントにも表示されます。
31字を超えると、自動制御で終わりからカットされます。
※ブローカーにより、最大文字制限が31字でない場合もあります。
- トレード情報記録【Recording】
4.買い売り・ロジック別パラメータ
- 稼働スイッチ
稼働:true/非稼働:false - TakeProfit
最大TPを変更できます。EAにより、状況で変動した値になることがあります。 - StopLoss
最大SLです。EAにより、状況で変動した値になることがあります。
こちらの値は、複利設定時の計算で使われます。ロジック別で複数SLがある場合、稼働するロジックの最大値で計算されることになります。
- 稼働スイッチ
チャート表示
状況により、チャート表示は以下3パターンに切り替わります。
取引履歴線パラメータを「true」にすると、表示項目が増えます。
何らかの理由で非稼働になった際は、マジックナンバーとロットを除いて暗転します。
通常稼働時
通常稼働+取引履歴線・pipsをチャートに表示を「true」
非稼働時
この他、プラットフォームアップデートなどでEAセットが外れた場合は、コメント類が残り、右上のEA名が空欄になることがあります。
暗転せず、通常稼働と誤認しやすいためご注意ください。
チャートコメント補足
パラメータの項目の他、以下項目を表示します。
2~5は、取引履歴線を「true」で表示されます。こちらは、MT4/5に蓄積されている履歴が計算の上限です。
- スワップ【Swap B/S】
- トレード数【TradeCounts】
- 獲得pips【Profit (pips)】
- プロフィットファクター【Profit factor】
- リスクリワードレシオ・勝率【RRR/Win%】
搭載補助機能
当方では、ヒューマンエラー防止の取り組みで、様々な補助機能を備えています。
- 自動チャートセット
任意のFX通貨チャートにEAをドラッグ&ドロップすると、自動でチャートが切り替わり、セットされると配色が変わります。
一部「GOLDmicro」など、ブローカーや口座特有のシンボル名は、うまく動作しない場合がありますので、その際は手動でセットくださいませ。 - チャートコメント
パラメータ等の簡易情報を、視認しやすいようチャート右側に配置し、間違うと事故につながる「マジックナンバー」・「ロット」は色を変えて大きく表示しています。 - 状態エラー時のチャート変化
トレードできない状態の場合は、チャート画面が「マジックナンバー」「ロット」を除いて暗転します。 - チャート中央情報
上段にシンボル、下段左に時間軸、右が現在のスプレッドをpips表示しています。 - マジックナンバー重複アラート
当EAと同じMT4/5に限り、重複したと思われる場合はアラート画面が表示されます。
※正規の手順でMT4/5を閉じずにPCをシャットダウンすると、終了時のイベントが処理されずに、重複アラートが出る場合があります。
他にも予期せずアラートが出る場合があります。重複に問題なければ、その際は無視して設定を継続されて問題ありません。 - GMT0稼働禁止制御
GMT0のブローカー2社(Exness・Ava Trade)の稼働を停止する制御を入れています。
それ以外のGMT0のブローカーは制御対象外です。
原則、当方のEAは、GMT+2/+3(日足5本)でのみ稼働可能です。 - サマータイム自動制御
サマータイムをブローカー別に自動判別する機能を備えています。セット時に、「エキスパート」タブに
「No summertime」
「American summertime」
「European(UK) summertime」
と内容に合わせて表示されます。
こちらの制御は、当方で把握しているブローカーで判定を行っているため、それ以外のブローカーでは、判定が異なる可能性がございます。
※もしご利用のブローカーと異なる表示が出た場合は、お知らせいただけると幸いです。 - 通知コメント消失アラート
通知コメントが消えた場合、MT4上にアラートが出て、スマホアプリに通知が送られます。チャートコメント上は、通知コメント部分が赤色に変わります。 - トレード線・pips表示・簡易集計
トレード履歴を、チャートで視覚的に表示します。
エントリーから決済ポイントまでの取引線と獲得pipsを表示し、右側のチャートコメント下部には、簡易集計が表示されます。 - オートスプレッド
詳細後述 - トレード情報記録(csv出力)
詳細後述
- 自動チャートセット
オートスプレッド機能
オートスプレッド機能は、パラメータを「0」にすると、自動でスプレッド平均を計算し、その平均にプラス数pipsを加算して、スプレッドフィルターの値を内部で設定されるという機能です。
これにより、セットするたびに計測スプレッドを確認する等の煩雑な作業が省かれました。
以下が仕様です。EAにより、平均に加算する値が変わることがあります。
- パラメータで「0」を設定した場合、内部計測した平均値を基準に設定されます。
- 手動設定は、パラメータで「0」以外の値に入力すれば、その値に固定されます。
- 朝方の急拡大に備えるため、最大値は内部で8.0pipsになっています。
- 当EAでは、朝方のロジック対応のため、スプレッドが8.0を上限に、高く設定される場合があります。
- 設置直後は、平均値が定まらないなどや、朝方未計測などで、値が不適切になることがあります。
- MT5再起動や、月ごとに蓄積データはリセットされます。
- バックテストではオートスプレッドは機能しません。
- チャートが止まっていると、更新されません。
- もし平日動き出しても値が8.0などから変化無いようでしたら、ドラッグ&ドロップからEAをセットし直すと改善する場合があります。
トレード情報記録(csv出力)機能

パラメータから切り替えて選択ください。
【保管場所】
「MQL4/MQL5」→「Files」内
【ファイル名】
MT4:ブローカー名_口座番号_TradeLog.csv
MT5:EA名_口座番号_TradeLog.csv
※MT4では、1つのMT4内は異なるEAも同ファイル内に記録されます。MT5では、仕様上EA毎にファイルが作成されます。
【項目】
注文番号/注文時間/時刻/分/取引種別/注文価格/約定価格/スプレッド/スリッページ/レイテンシー/損益(pips)/数量/通貨ペア/時間足/EA名/マジックナンバー/書込トライ数/ランタイム(ms)/ギャップ(pips)/出来高
※取引種別では、buy/sell/Close/TP/SLとそれぞれ分かれて計測されます。
※「書込トライ数」以降は、当方でのトラブル時の確認用です。問題が起こり、必要あればこの値を参照する場合があります。
※TP/SLは、ダブルカウントされる場合があります。
標準搭載ロジック・技術
- サーバー0時台新規エントリー不可
スプレッド拡大により不安定な0時台は、エントリーを行いません。決済は行います。 - 決済スプレッドフィルター
朝方のスプレッドが広がった状態で決済がされにくいよう、決済にもスプレッドフィルターを備えています。しかし、SLにかかる際は制御できずに無効となります。 - ギャップフィルター
1本前終値と、現在価格の差が一定以上でエントリーを禁止します。大半が内部で10pipsに調整されています。
当EAでは、1本前終値で判定することが多いため、執行価格に差があると不利になります。
その抑制の目的と、価格が飛んで約定するなどのトラブル防止の役割があります。これを設置していてそれ以上に飛んだとなれば、不正が疑われます。
※古いバージョンでは未搭載です。
※決済では、ギャップフィルターは機能しません。 - 年末年始制御
12月20日あたりから(EAにより異なる)翌年1月3日まで、新規エントリーをせずに決済のみ行う制御を入れています。
期間中ポジションを早く決済したい場合は手動となります。 - 証拠金不足・トレード許可チェック
ロットを証拠金不足や、MT4/5上でトレード許可がない状態での発注などを防止します。これにより、注文エラーで無駄な通信をサーバーに送り続けるトラブルが回避されます。 - 全天周囲モニタリング
様々なジャンルで優位性のある、環境認識システムです。不利な地合いではメリハリをつけてトレードを避けます。これにより、自作比で2025年のトランプ相場での損失抑制効果が高くなっています。
搭載はEAにより異なります。この環境認識は、主に日足を参照します。 - AMPAC(Anti Miss Positioning Auto Control)
約定力を高めるMT4の独自開発技術です。
MT4では、通信により遅れてレート配信される、或いはMT4の処理が混雑するなどして、注文が飛ばされるということがよくあります。それを補助する独自のリピート注文と軽量化で、約定力を高めています。 - マグネットコーディング
リアルで正しく動作させるMT4用独自開発コーディング技術です。
MT4では、特性上コーディング通りに動作してくれないことがあります。バックテストでは正しく動作していても、リアルでは思うようにフィルターが効かないということがあります。
それを回避する一つの方法でコーディングを行っています。
それを行ってもまだ、誤差が出る場合があり、完全なものではありませんが、2024年以前の制作よりも、バックテストとリアルでの同期間の誤差が縮んでいる傾向です。
- サーバー0時台新規エントリー不可
その他補足
- GMT
当方のEAは日足を多用するため、GMT冬/夏は+2/+3で日足5本のブローカーでしか稼働できません。
それ以外のGMTでは、日足が6本となり、日足と4時間足の計算が変わってしまい成立しません。 - 週末のセット
週末チャートが動いていない等で、MT5のEAセット後にチャートコメントが表示されない場合、もう一度パラメータ画面からOKを押すと、表示される場合があります。
- GMT
ご注意・免責事項
- 各機能は、バージョンや仕様により、搭載なしや表現が異なる場合があります。
- 補助機能やチャートコメントは、あくまで補助的なもので、正確に機能しない場合があります。
- 万全を期していますが、どうしても不具合が見つかる場合があります。その際は、お声がけいただけると幸いです。
謝辞
一連のパラメータやヒューマンエラー対策に関わる技術は、私一人の力ではなく、同志の方々の技術協力や助言があって成り立っています。
ご助言・ご協力下さった皆様に、改めて御礼申し上げます。

















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