DAY 21:優秀なEAを見抜くには―実践的な検証事例解説
前回(DAY 20)は、あやしいEAやダメなEAを購入・導入しないためのチェックリストをまとめました。
今回はその逆で、「優秀なEA」を見抜くためにはどのようなポイントを確認し、どんな事例をイメージすればよいかを掘り下げたいと思います。
実際の売買履歴やチャートを提示するわけではなく、あくまでも「概念的な事例解説」として進めますので、自分がEAを選ぶときのイメージ作りに役立ててください。
1. 安定的なバックテストとフォワードテストの両立
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安定した利益曲線を複数期間で示している
優秀なEAの特徴の一つは、過去の特定期間だけでなく、相場が異なる複数の期間にわたって大きなドローダウンを起こさず、緩やかに資産を増やしていることです。
例えば、直近1年と過去2~3年(相場環境が異なる期間)両方のバックテストを比較し、同じように右肩上がりを維持できているか確認してみましょう。 -
フォワードテストやリアル運用でも大きく乖離していない
バックテストは過去データへの“最適化”がある程度行われているため、あくまで仮想的な結果です。そこに対して、フォワードテストで成績が大きく違わないかが重要なチェックポイントになります。
数週間~数か月にわたり運用してみて、バックテストのドローダウンとほぼ同等の範囲内に収まっているなら信頼度が高まるでしょう。
2. 過剰なドローダウンがなく、リスク管理が明確
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最大ドローダウン(Max DD)が資金の30~40%を大幅に超えない
トレーダーにより許容範囲は異なりますが、優秀なEAほどリスクを抑えた運用を心がけています。
長期運用でも破綻しにくい仕組みがあるかどうか、バックテスト・フォワードテストのDDを見比べて判断しましょう。 -
損切りやフィルターが適切に組み込まれている
ストップロスを明確に設定しないまま逆張りを積み重ねるようなEAは、一度の反転で大損失を被るリスクがあります。
経済指標発表前後に取引を控える等、相場環境に応じた安全策が用意されているかも注目ポイントです。
3. 数字だけでなく、ロジック概要が筋道立っている
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「どういう相場を狙うEAなのか」説明がある
優秀なEAの開発者や販売者は、少なくとも「トレンドフォロー型なのか」「レンジ逆張り型なのか」「ブレイクアウト狙いなのか」など、ロジックの大枠を明示します。
これにより、トレーダー側も「今の相場ならこのEAが合いそうだ」と判断しやすくなります。 -
テクニカル指標や仕組みに一貫性がある
たとえば「移動平均クロス+ボラティリティフィルターでエントリーし、○pipsのトレーリングストップを用いる」という一貫したロジックなら、バックテスト結果とも整合が取りやすいでしょう。
ロジック自体の説明があいまいで、数字もやたらと良い場合はオーバーフィッティングの可能性を疑うべきかもしれません。
4. 実運用成績の公開・サポート体制
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MyfxbookやFxblueなど信頼できる外部サイトで運用履歴を公開
数字の偽装が難しい第三者のモニタリングサービスを使って、リアル口座の成績を更新しているEAは、信頼度が比較的高いといえます。 -
開発者が継続的にアップデートやサポートを提供
前回まで学んだように、相場は変化し続けるため、EAも時折アップデートが必要です。
放置でサポートもなし、というEAは長期間の運用に向いていない可能性があります。
5. 概念的な“優秀EA”検証事例
以下はあくまでも概念例ですが、想像してみてください。
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通貨ペア
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ユーロドル(EUR/USD)やドル円(USD/JPY)など、スプレッドが狭く流動性が高い。
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複数通貨に対応しており、通貨ペアを選べるタイプ。
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ロジックタイプ
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トレンドフォロー型で、移動平均線のクロスとボラティリティフィルターを組み合わせてエントリー。
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損切り幅は固定しつつ、利を伸ばすためのトレーリングストップを搭載。
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バックテスト・フォワードテスト
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過去3年分のバックテストで最大ドローダウンが15%前後、プロフィットファクターが1.5程度。
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直近6か月間のフォワードテストでも、バックテストと類似の成績が確認できる。トレード履歴に極端な不自然さがない。
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ユーザーへのサポートと実績公開
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開発者・販売者がMyfxbookでリアル口座のモニタリングを公開し、毎月成績をアップデート。
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大きな経済イベントがある月にはアップデートや注意喚起が行われるなど、適切なフォロー体制がある。
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こうした条件がそろっていれば、「優秀なEA」として検討する価値が高いと言えるでしょう。
今日のまとめと次回予告
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優秀なEAは、単にバックテスト結果が良いだけでなく、フォワードテストやリアル運用での実績も安定している
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ロジックの概要がある程度説明され、運用者のリスク管理意識が明確である点が信頼度を高める
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サポート体制やアップデートの有無も確認し、市場環境が変わってもフォローしてくれる仕組みがあるかを見極める
次回(DAY 22)は、**「EA運用におけるリスク管理ルールの具体例」**にフォーカスし、実際の運用時にどんなルールを設ければ想定外のドローダウンを回避しやすいか、さらに踏み込んだ話をいたします。優秀なEAといえども、運用者のルール設定が甘ければ大きく負ける可能性があるのです。
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EAを選ぶ際、検証データやフォワードテスト結果をしっかり確認し、納得できるものを取り入れると、長期的に安定したトレードを目指しやすくなるでしょう。
次の記事では、EA運用に欠かせない「リスク管理ルール」について、より実践的な具体例を紹介してまいります。
ぜひ**「続きを読む」**を押して、引き続き学習を深めていきましょう。
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