[システム・トレード] 損大利小のEAを作成してみる
こんにちは。2payです。
今回は前回のロジックを反転させて損大利小のEAを作ります。
今まで私は「損失は限定し、利益をなるべく伸ばす」ように口酸っぱく言ってきましたが、一定の要件を満たす環境においては、リスクリワード(以下RR)が反転していても構わないと思っています。
具体的に一定の要件とは、
・大きな損失に耐えられるだけのマージンを確保する事。 (バルサラの破産確率等に基づく)
・リカバリー能力が高い事。 (大きな損失を食らった後の資金回復力)
の2点です。
最もその2点が欠けていたとしても問題無く稼働するEAもありますが、実運用において大金を賭けるだけの精神力が問われます。
本題に戻りますが、今回用意したのはランダムウォークEAをブラッシュアップした順張りEAです。
前回作成したBBのブレイクアウトEAより成績出るんですよね。
過去にいろいろ作ってきましたが、私が作るEAはインジケータに頼ると成績が下がる傾向にあるようです。
頭空っぽにして価格だけ追っかけた方が性に合っているということかもしれません。
ともかく、直近5年のデータです。
単発かつスケールが大きいので波形は荒れていますが、充分な利益が確保できています。
純益60万なので、初期証拠金から単利で4倍になった計算です。
取引箇所を3時間程眺めた後、ロジックを反転しても作用する可能性があることに気づきました。
取引条件を真反対にして検証します。
勿論、同じ通貨には通用しません。
順張りEAではGBPJPYを使用しました。 (流動性が高そうな通貨という理由で選定しています)
ファンダ等でGBPがやらかした際、投資家の資産の退避先としてJPYにマネーが移動します。(その逆も然りです)
クロス円は安全資産と見られているため他通貨でも規模こそ異なれど、同様の事象が起こります。
資金が大移動するような性質を持ち合わせない通貨ペアを試したらワンチャンあるかもしれません。
USDCADとかどうでしょうか、隣国なので地政的に似ているような気がします(←偏見)
ひとまずプラスになりました。純益は順張りの半分ほどで、波形が荒れていることに目を瞑れば悪くない結果です。
ロジックを反転しただけで使える通貨が増えるというのは、面倒くさがりな自分にとって非常にありがたい事です。
この2つは順張りと逆張り(トレンド相場に強いロジックとレンジ相場に強いロジック)の相反する性質を持っているので、組み合わせればお互いの弱点を補うような運用ができるのではないでしょうか?
どうでしょうか? (まんま足しただけですね)
特筆するなら、リカバリファクターが3から5に増えたことでしょうか。何とか実用ラインに立ちました。
平均利益と平均損失はピッタリ同じでRR1:1になりました。
その上で4%ほど勝率が上回っている状況です。
個人的には勝率もRRも半分かそれを上回っているEAが好きです。
複利を考慮した際の資金回転効率に優れているからです。
ただし本EAの場合は、損益の振れ幅が大きいので低倍率で複利を実装した方が安定するはずです。
最後に本気で逆張りロジックを磨いた場合のパフォーマンスを示します。
パラメータがLotしか無いのは表に出さないように隠しているのではなく、最適化する要素が一切無いからです。
これまで書いてきた記事の内容を踏襲し、ランダムウォークをベースに分析は行わず、インジケータ類は使わず、小さな優位性をコツコツ積み上げた結果です。
市場の原理原則や数学的な規則が根底にあるので、為替市場が破綻しない限り有効です。
こういうの作ってしまうと裁量には戻れなくなってしまうんですよね。
売ったら誰か買いますか?
商品化を希望する人がいればもう少し整えて出品します。
今回はここまでになります。
併せてこの優位性シリーズも区切りがついたので一旦締めたいと思います。
次回からは制作の視点に立ったバックテストの見方とか、EAを制作・購入する際に確認したい事項、インジケータにまつわる裏話的なものを企画しています。
読んで頂きありがとうございました。
Is it OK?