DAY 29:トレードノートの重要性
FX
DAY 28までで、裁量トレードと自動売買を組み合わせた“ハイブリッド運用”を中心に学んできました。
今日からは新たなステップとして、「検証・検証・さらに検証」をテーマにしたWeek 5に入ります。まずはDAY 29として、「トレードノートの重要性」に焦点を当てましょう。
「トレードノートをつけると良い」とよく言われますが、正しく活用できている人は案外少ないはず。“学習効率”や“メンタル安定”につながるトレードノートのメリットを改めて確認し、ノートのつけ方や続けるコツを紹介していきます。
1. なぜトレードノートが重要なのか?
客観的な振り返りができる
- トレード中は感情が入りやすく、「なんとなく損切りを伸ばしてしまった」「利確が早すぎた」というケースが多い。
- ノートに記録することで、**後から客観的に見直せる“証拠”**ができ、曖昧さを減らす。
自分の強み・弱みがはっきりする
- 勝ちトレードのパターンや負けパターンをノートで分類すれば、どんな相場環境やエントリー根拠が得意か/苦手かが浮き彫りになる。
- “苦手な通貨ペア”や“時間帯”を把握し、改善や運用の調整に活かせる。
メンタル管理に役立つ
- 連敗後に陥りがちな焦りやリベンジトレードの原因がノートを見返すことで明確になる。
- 「同じ失敗を繰り返さないためにどうするか?」を冷静に考える場を作ってくれる。
ルールやロジックのアップデートがしやすい
- 何度か繰り返している失敗パターンを修正することで、トレードの精度が上がる。
- バックテスト結果と照らし合わせることで、リアルと検証の差異も見えてくる。
2. トレードノートに書くべき項目
(1) 基本情報
- 日時:エントリー・エグジットの時刻や日付。
- 通貨ペア:USD/JPY、EUR/USDなど。
- 売買方向:買い(ロング) or 売り(ショート)。
- エントリー価格・損切り価格・利確価格:実際の約定レートと、決済レート。
(2) トレード根拠・戦略
- 「移動平均線がゴールデンクロスしていた」「抵抗線をブレイクしたから」など、エントリー理由を明確に記す。
- 損切りや利確の設定根拠(フィボナッチ61.8%、直近高値/安値の少し外など)を書いておくと、後から振り返りやすい。
(3) 結果・損益
- 獲得pipsや損益額も記録し、勝率やトータル損益を集計できるようにする。
- 連敗や連勝の回数なども分かるとメンタル面の分析がしやすい。
(4) 感情・心理状態
- 「高値掴みが怖くて入るのが遅れた」「連敗後で焦っていた」など、そのときの感情や判断のプロセスを書き残す。
- 負けトレードを“ただの損”にせず、次のトレード改善の糧にするために心理面は重要な記録事項。
(5) チャートのスクリーンショット(可能なら)
- ノートアプリや手書きノートでも構わないが、チャート画像を残せると後日見直すときにイメージしやすい。
- トレードの前後やエントリー・エグジット時点のローソク足など、ポイント箇所の画像を貼っておくと理解度が高まる。
3. トレードノートを続けるコツ
- シンプルさを最優先
- 項目を増やしすぎると面倒になり、三日坊主になる可能性。
- 最低限の情報(日時、通貨、売買方向、根拠、結果、感情)くらいでOK。
- 慣れてきたら必要に応じて詳細化する。
- “日次”or“週次”で振り返る習慣
- トレード直後は最低限のメモだけにしておき、一日の終わりや週末に時間をとって丁寧に振り返る。
- まとめて分析する時間を設けることで、自分のクセや相場の振れを俯瞰できる。
- 記録ツールの選択を工夫
- 紙のノート、エクセル・スプレッドシート、ノートアプリ(OneNoteなど)、専用ツール(TradingViewの記録機能など)など、使いやすいものを選ぶ。
- 継続のしやすさを重視。画像やリンクを貼り付けるならデジタルツールが便利。
- 成功例と失敗例の“両方”を分析
- 勝ったトレードも、なぜ勝てたのかを言語化する。
- 失敗例ばかりに目を向けるとメンタルが落ちるので、成功事例から学べる強みも同時に確認すると良い。
4. トレードノートを活かした実践例
(1) Sさんのケース:メンタル安定に大きく寄与
- 背景:連敗が続くと焦りやすく、損切りをずらしてしまう癖があった。
- ノート活用:
- 毎回「エントリー根拠」「損切りラインの根拠」「エグジット後の感情」を3行程度で記録。
- 週末に負けトレードをまとめて見返し、**「実は最初の損切りを守れば被害は小さかった」**ことを確認してから翌週を迎える。
- 結果:
- “どうせ損切りを守らずナンピンしちゃう”という自暴自棄を防止。
- 素直にルールを守ったときの勝率が上がり、焦りや不安が減った。
(2) Tさんのケース:分析が進み勝ちパターンに特化
- 背景:感覚的にトレードしていたが、勝率が安定せず。
- ノート活用:
- エントリー時のチャートスクショと根拠、結果を必ず貼り付け。
- 1か月後に集計したら、ボリンジャーバンド+RSIで逆張りしたパターンが8割勝てていたことを発見。
- 結果:
- 勝率が高いパターンに絞るようにルールを再構築し、無駄打ちが減って資金曲線が安定。
- 逆に負けパターン(ブレイクアウト狙い)が自分には向いていないと気づく。
(3) Uさんのケース:ハイブリッド運用の管理に役立つ
- 背景:EAと裁量を同時にやっていたが、合計損益やポジション管理が複雑化。
- ノート活用:
- EAが取ったトレードの日時・結果を自動記録(MT4の履歴をエクスポート)&裁量分は手動でノート追加。
- 週末に「EAの勝ちパターン」「裁量の勝ちパターン」を比較し、次週のロット配分や稼働ON/OFFを決定。
- 結果:
- 「EAの苦手な場面を裁量で補う」など明確になり、無駄なポジションが減って利益が安定。
- “裁量トレード”と“EAの動き”を同一ノートで一元管理することでリスクの把握が楽に。
5. まとめ & 次回予告
まとめ
- トレードノートは、勝率向上やメンタル安定、ルール洗練など多方面に効果的。
- 記録項目:日時・通貨ペア・売買方向・根拠・結果・感情の6つを最低限押さえると後々の分析に役立つ。
- 続けるコツ:
- シンプルかつ継続しやすいツールを使う。
- 週末のまとめ振り返りを習慣化。
- 成功例も失敗例もバランス良く分析。
- 応用:
- ハイブリッド運用でEAのトレード履歴も含めて一括管理し、裁量と自動の連携を最適化。
- 自分の得意パターンを見極めてトレード戦略をアップデート。
次回(DAY 30)のテーマ:過去検証 – 良いところと限界
- 次は“Week 5”の検証テーマをさらに深め、**「過去検証のメリット・デメリット」**を解説します。
- トレードノートによる振り返りや手動バックテストとの合わせ技で、過去の相場から学べることは多い一方、限界もある。
- 過去検証とリアルトレードの違いを理解することで、より賢い検証方法が見えてくるはずです。お楽しみに!
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