DAY 25:ハイブリッドトレード① – エントリーは自動、エグジットは裁量
FX
DAY 24では、裁量トレーダーが手動バックテストを行う際のポイントを学びました。
今日からは、裁量と自動を組み合わせる**“ハイブリッドトレード”の実践例を2回にわけて紹介していきます。
まずは「エントリーはEA(自動売買)に任せ、エグジットは裁量で行う」**方法を取り上げ、そのメリットや注意点、運用例などを詳しく見ていきましょう。
1. ハイブリッドトレードの基本的な発想
自動売買(EA):
- 「機械的なルール執行」「24時間トレードが可能」「感情を排除できる」など強みがある。
- しかし、急変やニュース対応、繊細な相場判断は苦手。
裁量トレード:
- 相場の微妙な変化(指標前の動き、長いヒゲなど)を柔軟に判断でき、素早くポジションをクローズするなどの臨機応変さに長ける。
- 反面、人間の感情が入り込みやすく、最適なタイミングを見逃すリスクも。
エントリーは自動、エグジットは裁量
- 考え方:
- エントリーのタイミングを逃さないようにEAが監視&実行。
- いざポジションを持ったら、裁量トレーダーがチャートを見て“指標前に一旦利確する”“想定外のニュースで急落しそうだから切る”など臨機応変に対処。
この形なら、エントリーの見逃しや感情による入りづらさを大幅に減らしつつ、緊急時や微妙な相場の調整は裁量がカバーできるのです。
2. メリット
(1) 入り損ねを防ぐ
- 裁量だと「もうちょっと待ってから…」とグズグズしているうちにトレンドが始まってしまうことがある。
- EAが条件を満たした瞬間にポジションを取るので、タイミングロスを抑えられる。
(2) メンタル負荷が軽い
- エントリーを自動化すれば、**“そろそろエントリーしたいけど怖い…”**といった葛藤をあまり感じない。
- 損切りラインもEAで自動設定しておけば、初動のリスク管理はしやすい。
(3) 緊急事態に人間の判断が生きる
- 相場急変(指標、要人発言、ニュース)に対しては、EAまかせだと想定外の損失を被る可能性。
- しかしエグジットを裁量にしておけば、ヤバそうな場面で手動決済しやすい。
(4) ルール厳守と柔軟性の両立
- EAはあくまでロジック通りに入る。
- 裁量はエントリー後に「もう少し持つか、早めに利確か、損切りを広げるか」など臨機応変なアクションをとれる。
3. デメリット・注意点
(1) 相場を常時モニターする必要はある
- ポジションを持った瞬間からは、裁量でエグジットを管理するため、結局チャートを見続ける必要がある程度発生。
- 完全放置ではなく、“ポジション保有中はしっかり相場を観察する”という意識が求められる。
(2) 初動のリスク設定はEA任せ
- EAが設定した損切り・ロットが適切でなければ、想定外のボラティリティで一瞬にして大損する可能性も。
- エントリーの瞬間は見れなくても、最低限「EAのデフォルト損切り幅」「ロット設定」は手動で把握し、こまめな調整が必要。
(3) エグジットの迷いが残る可能性
- 人間が決める以上、「もう少し利を伸ばせそう…」「ここで手仕舞ったけど結局伸びた…」など裁量エグジットの悩みはつきまとう。
- “利食い基準”が曖昧だと、せっかくEAが拾ってくれたトレードも不十分な利益に終わるかもしれない。
4. 運用例:ハイブリッドトレード①
(1) シンプルなMAクロスEA+裁量決済
- EAロジック例
- 短期移動平均線(MA)と長期MAがゴールデンクロスしたら買い、デッドクロスしたら売り。
- 損切りラインは直近安値/高値の少し外、あるいはATRを基準に設定。
- 運用方法
- エントリーの瞬間はEA任せ → ポジション保有後はチャートを観察。
- 裁量で「想定外のニュースが出た」「直近レジスタンス付近で反発しそう」と判断すれば、EAを停止or成行決済。
- メリット
- クロスを逃さず拾える。
- 簡単なロジックでも裁量がエグジットを微調整することでトータル勝率向上が期待できる。
(2) ブレイクアウトEA+裁量トレール
- EAロジック例
- 一定のレンジ上限・下限をブレイクしたら自動エントリー。
- 損切りはブレイクレンジの中央あたりに設定。
- 運用方法
- エントリー後、裁量で“トレーリングストップ”を行う(MT4/MT5の手動トレーリングや価格を見て逆指値を移動)。
- もしブレイクがダマシっぽければ早期手仕舞い。
- メリット
- ブレイクアウトの瞬間を見逃さない。
- ダマシ回避や素早い決済を人間が行えるため、余計なロスを減らせる。
5. 成功させるコツ
バックテストやフォワードテストでEAのエントリーロジックの“得意相場・苦手相場”を把握
- 苦手な相場ではロットを下げる、指標前は停止などの裁量操作が重要。
- 苦手な相場ではロットを下げる、指標前は停止などの裁量操作が重要。
裁量のエグジットルールもある程度定義しておく
- 「直近高値/安値付近で反発しそうなら利確」「指標30分前には一旦決済」など、目安を作っておかないと感情に流されがち。
- 「直近高値/安値付近で反発しそうなら利確」「指標30分前には一旦決済」など、目安を作っておかないと感情に流されがち。
損切りはEAで機械的に設定し、緊急時の損失拡大を防ぐ
- どうしても損切りできないタイプなら、自動売買に損切りを任せる。
- ただし、マーケットが急変しすぎるとEAが正しく注文を出せない可能性(スリッページなど)もあるので、保証はない。
相場環境の判定を人間が行い、EAの稼働ON/OFFを切り替える
- 「トレンドが出そうな状況ならEA ON」「レンジが続きそうなら停止」など、裁量が大枠の環境認識を担当。
- こうすることで、EAが苦手なレンジor逆行で連敗するのを防げる。
6. まとめ & 次回予告
まとめ
- **“エントリーは自動、エグジットは裁量”**というハイブリッドスタイルは、「エントリーチャンスの取り逃し防止」と「緊急時の素早い損切り・利確」を両立できる。
- メリット:エントリーの迷いが減り、24時間監視の必要も軽減、メンタルが楽になる。
- デメリット:ポジション保有後は結局裁量判断が必要、EAの損切りやロット設定の把握が必須。
- 成功のコツ:
- EAロジックを把握し、相場環境に応じて稼働ON/OFFを切り替える。
- 裁量エグジットにも最低限のルールを持ち、“行き当たりばったり”にならないようにする。
次回(DAY 26)のテーマ:ハイブリッドトレード② – 通貨ペア別にEAと裁量を分担
- “ハイブリッドトレード”の第2弾として、**「通貨ペアごとに自動売買と裁量を使い分ける」**方法を紹介します。
- たとえば「苦手な高ボラ通貨はEAに任せる」「安定感のあるペアは裁量でじっくり運用」など、さまざまなパターンがありますので、明日もお楽しみに!
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