DAY 22:システムトレードとは? – 基本的な考え方
FX
DAY 21までで、裁量トレードを中心とした戦略構築や相場環境認識の基礎を固めてきました。
ここからはWeek 4のテーマである**「裁量と自動のハイブリッド的視点」に踏み込んでいきましょう。
まずはシステムトレード(自動売買)**とは何か、その基本的な考え方を解説します。
裁量トレードと自動売買にはそれぞれメリット・デメリットがあり、うまく組み合わせることで“精神的な負担の軽減”や“客観的なルール維持”が期待できるので、ぜひ可能性を探ってみましょう!
1. システムトレード(自動売買)とは?
- 定義:あらかじめ決められたルールやプログラムに基づき、パソコンやサーバーが自動で売買を行う手法のこと。
- 実装形態:
- EA(Expert Advisor):MetaTrader等で動く自動売買プログラムが代表例。
- 独自アルゴリズム:VPSや専用サーバーで自作ロジックを稼働させるケースも。
(1) 裁量とシステムの大きな違い
- 裁量トレード:相場を見て自分で判断・売買する。柔軟性が高いが、感情や思い込みの影響を受けやすい。
- システムトレード:ルールを機械的に埋め込み、一貫して実行する。感情ブレはないが、状況に応じた臨機応変な対応が苦手。
(2) ルール重視が基本
- どんなインジケーターを使うか、どんな価格アクションでエントリー/エグジットするかなど、トレードルールを明確化する必要がある。
- これが曖昧だとEAに落とし込めず、裁量以上に散漫な結果に終わることも。
2. システムトレードのメリット
感情を排除できる
- 損切りのラインを守れない、チキン利食いになる…といったメンタル面の弱点を補強。
- ルール通りにエントリー/エグジットが実行されるため、“連敗で熱くなってロットを上げる”などの暴走を抑えられる。
24時間稼働が可能
- FXは平日ほぼ24時間取引可能であり、EAを動かすことで寝ている間や仕事中も取引チャンスを捉える。
- 指標発表や急騰急落のタイミングで自動的にエントリー/エグジットをしてくれるため、裁量トレードでは難しい場面にも対応しやすい。
検証・分析がしやすい
- 過去チャートでルールをバックテスト可能。
- 「このロジックは過去5年間でどれだけ勝ったのか?」などの検証がデータとして明確に出る。
- ストラテジーテスター機能などを使えば、システム修正と再検証のスピードが早い。
3. システムトレードのデメリット
相場の急変・想定外に弱い
- プログラムが想定していない動きや、突発ニュースで大きく相場が飛んだとき、柔軟な対応が難しい。
- スプレッド拡大や約定拒否などで思わぬ損失が出る可能性もある。
ロジックの“陳腐化”
- 過去には有効だったロジックが、現在の相場環境で通用するとは限らない。
- ある特定の期間に最適化しすぎると、将来の相場では負けが続く“オーバーフィッティング”に陥るリスク。
プログラム開発やメンテナンスが必要
- 自作なら、プログラミング知識や開発環境が必要。
- 購入したEAでも、バージョンアップやパラメータ調整が必須の場合が多い。
急激なレバレッジ拡大やマーチンゲールなど、リスク管理を誤ると破綻しやすい
- 大きく勝てるEAは大きく負けるリスクも背中合わせ。
- 仕組みを理解せずに“○○%の勝率EA”と宣伝を鵜呑みにすると痛い目に遭う。
4. 自動 vs. 裁量、それぞれ得意な領域
裁量が得意な場面
- “ここは要人発言が控えているからポジション縮小しよう”など、ファンダメンタルズ的な視点が必要な場合。
- 明確なニュースや突発的な地政学リスクで激しく動く場面で、感覚的に素早く対応したいとき。
自動が得意な場面
- “トレンドフォローを延々続ける”など、一定のルールを何度も繰り返すような単純戦略に適している。
- 連勝・連敗などメンタルの揺さぶりが強い手法でも、EAなら機械的に進められる。
- 時間帯を問わずエントリーチャンスを逃さない。
5. ハイブリッド運用の例
(1) エントリーは自動、エグジットは裁量
- メリット:
- EAがシグナル通りにエントリーしてくれるため、タイミングロスや感情による入れなかった…を防げる。
- 指標前や突発ニュースでリスクを感じたときは、裁量判断で早めに決済できる。
- デメリット:
- 常時チャートを監視する必要がある(裁量でエグジットするため)。
- EAのエグジットロジックが合わないと、一部ルールが中途半端に。
(2) 通貨ペアごとに分担
- メリット:
- “得意通貨は裁量でトレードし、苦手通貨はEAに任せる”といった配置が可能。
- リスク分散(裁量ロジックと自動売買ロジックは相場状況によって一方が補完する形になる)。
- デメリット:
- 複数口座や複数チャートを管理する手間が増える。
- 自動と裁量を同時に進めると、損益計算や資金管理がやや複雑化。
(3) 大局観は裁量で方向性を決め、細かいエントリーを自動化
- メリット:
- 上位足の分析は裁量で行い、“買い”か“売り”かの方向性だけを決めて、EAの稼働方向をセット。
- 方向性が出ている相場では、EAがこまめに押し目買いや戻り売りを取ってくれる可能性。
- デメリット:
- 相場が想定と違う方向に進んだとき、手動でEA停止や修正をしないと損失拡大のリスク。
- 相場が想定と違う方向に進んだとき、手動でEA停止や修正をしないと損失拡大のリスク。
6. まとめ & 次回予告
まとめ
- システムトレード(自動売買)は“ルール厳守で感情排除”できる一方、“相場の急変”や“想定外の事態”に弱い面がある。
- 裁量トレードは柔軟性と人間的判断力が強みだが、メンタルや時間的拘束がネックになることも。
- ハイブリッド運用で“得意通貨は裁量、苦手通貨はEA”や“エントリーはEA、エグジットは裁量”など、使い分けができる。
- EAを導入する場合は、過去検証やフォワードテストをしっかり実施し、リスク管理を徹底することが不可欠。
次回(DAY 23)のテーマ:自動売買から逆算する裁量の本質
- システムトレードの基本を押さえたところで、さらに**「自動売買で明確化したルールを裁量にも活かす」**という視点を掘り下げます。
- システムトレードで得られる**“勝ちパターン・負けパターン”の検証結果**は、裁量トレーダーにとっても非常に有益なヒントになるはず。
- 明日は“裁量トレードの本質”をシステムトレードの側面から見直していきますので、お楽しみに!
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