DAY 16:時間軸の使い分け – マルチタイムフレーム分析
FX
DAY 15では「トレンド vs. レンジ」を見極める相場環境認識の大切さを学びました。
今回は、複数の時間軸を活用して相場を多角的に理解する方法、いわゆる**“マルチタイムフレーム分析”**について取り上げます。
トレード初心者の頃は1つの時間足しか見ないことも多いのですが、時間軸を複数重ね合わせて考えることで、トレードの精度がぐっと高まります。
短期の動きに惑わされないためにも、ぜひポイントを押さえましょう。
1. なぜマルチタイムフレーム分析が必要か?
大きな流れを把握してブレを減らす
- たとえば1時間足では乱高下して見えても、日足や4時間足で見れば安定した上昇トレンドになっている場合があります。
- “大きな波”を把握すれば、短期的な騙しを避けるヒントになります。
トレンドの階層がわかる
- 日足レベルでは上昇トレンドでも、15分足レベルでは下降の調整波が出ているなど、相場には常に“複数のトレンド”が同時に存在しています。
- この階層を理解することで、「短期の下落は日足の押し目に過ぎない」といった見方ができるようになる。
エントリータイミングの精度向上
- 大きな時間軸でトレンドを把握し、中くらいの時間軸でエントリーポイントを探り、短期時間軸でタイミングを計る…といった使い方が一般的。
- フラクタル構造を意識すると、押し目買いや戻り売りのベストポイントが捉えやすくなります。
2. マルチタイムフレーム分析の基本ステップ
(1) 上位時間軸で大局を確認
- **上位足(日足や週足など)**を見て、現在の相場が「長期のトレンドは上昇か、下落か、それとも横ばいか?」を判断する。
- 水平線・トレンドライン・一目均衡表の雲などで“今の価格の位置付け”を大まかに把握。
(2) 中位時間軸で具体的な戦略を組み立てる
- 上位時間軸で上昇傾向なら、中位足(4時間足や1時間足)で“押し目”ポイントを探す。
- ボリンジャーバンドや移動平均線、MACDなどを使って、どこで入ればリスクリワード比が良いか考える。
(3) 下位時間軸でエントリータイミングを測る
- エントリーの実行はさらに短期(15分足や5分足)で行い、ローソク足パターンやストキャスRSIのシグナルを確認して確度を高める。
- 「マルチタイムフレーム」で最終的に下位足を確認するのは、“騙しを減らす”ためでもある。上位足の方向と噛み合うエントリーなら、大きく損失を出すリスクが低減しやすい。
3. 具体例:日足・4時間足・1時間足の連携
(1) 日足でトレンド方向を決定
- 日足の移動平均線が上向き、直近高値を更新中 → 「上昇トレンド継続」と判断。
- サポートラインや直近安値位置を確認し、「このあたりまでは調整が入りやすいかも…」とイメージ。
(2) 4時間足で押し目を待つ
- 日足で上目線が確定したら、4時間足で具体的な押し目候補を探す。
- ボリンジャーバンド-2σやフィボナッチ38.2%~61.8%あたりの押しで、ローソク足の反発パターン(ピンバー、包み足など)が出現したら、“買い”狙いが浮上。
(3) 1時間足でエントリータイミングを絞る
- 4時間足で押し目の位置をおおむね想定した後、1時間足でさらに細かいローソク足の形成をチェック。
- MACDクロスやRSIの売られすぎ解除などが確認できたらエントリー。
- 損切りは4時間足や日足で確認したサポートラインの少し下に置く。
4. 上位時間軸の相場環境が“逆”だったらどうする?
- 例:1時間足では上昇のように見えるが、日足では下降トレンド真っ最中。
- この場合、1時間足での上昇はあくまで日足レベルの“戻り”に過ぎない可能性が高い。
- 「戻り売り」をメインにするなら、「短期の上昇がピークに達して再度落ち始めたときにエントリーする方が堅実」という判断ができる。
- 「それでも短期上昇で取りたい!」という場合は、スキャルピング感覚でこまめに利確するなど、リスク管理を厳重にしよう。
5. 注意点・デメリットも理解しておこう
複数のチャートを見すぎて混乱しないように
- 上位足、中位足、下位足…あまりに細かく見すぎると判断に迷いが生じる。
- 自分の中で軸となる時間足を決め、それを補完する形で1~2つの足を見る程度がおすすめ。
タイミングを逃すリスク
- 上位足が整合性を示すのを待っていたら、エントリーのタイミングを逃すことも。
- これも“トレードチャンスを厳選する”という意味では一長一短。
- 「多少遅れても勝率やリスクリワードが上がるならOK」というスタンスか、「多少のダマシ覚悟でトレード回数を増やしたいか」で判断を変える。
検証が複雑になる
- マルチタイムフレーム分析をルール化した場合、バックテストが大変になる(EA化も難易度アップ)。
- しかし裁量トレードの精度は高まるため、しっかり記録をつけながら実践・検証を繰り返すことが重要。
6. まとめ & 次回予告
まとめ
- マルチタイムフレーム分析は、上位時間足→中位時間足→下位時間足と順番に相場を見る手法で、トレンド方向やタイミングを多角的に判断できる。
- 大局は上位時間足で捉え、具体的な押し目/戻り候補は中位時間足、エントリータイミングは下位時間足で絞り込みが基本的な流れ。
- 短期と長期の相場観が噛み合っていない場合は、慎重にリスク管理をするか、見送る選択肢も視野に入れる。
- チャートを見すぎて混乱しないよう、自分の軸足となる時間軸を最初に明確化しておくと混乱を避けやすい。
次回(DAY 17)のテーマ:エントリー戦略 – ブレイクアウト、押し目買い/戻り売り
- マルチタイムフレーム分析で大まかな相場方向を掴んだら、具体的にどうエントリーするか?
- 代表的なエントリー手法であるブレイクアウトや押し目買い・戻り売りのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
- ここを押さえると、実際にトレードでどんな動きを狙っていくかがはっきりするはず。ぜひお楽しみに!
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