クランテックの相場分析 2023.1.16
2023年1月16日
【先週の市場動向】
先週は前の週の金曜日からドルが弱含んでいたが、12日の米国CPI発表後に更に下げてしまった。株式市場については米株(主要3指数)が比較的堅調な動きとなった。
CPIの結果は予想通りの内容だったものの、6カ月連続で鈍化したことと、フィラデルフィア連銀総裁が政策金利について「この先は0.25%の利上げが適切」と発言したことが今回の市場の動きに後押しする形になった。
また、先週も触れたクロス円について「一旦様子見」としたが、米国のCPIでドル円の下げにつられる形で主要通貨も揃って下げた。この動きはドルの弱さの影響だけではなく、日銀の政策変更があるのではないかとの市場の警戒感も手伝っているようだ。これにより日経平均株価も上値が重く下押し圧力が強い状況となった。
【今週の市場予測】
今週は18日に日銀の政策金利発表がある。これまでそれほど市場が重視してこなかった日銀の政策金利発表だが、今回は大注目となっている。
既に市場は政策変更があるのではないかとの思惑で動いている。もし、政策変更が何かしら発表されれば円は更に強く、日経平均株価は更に下げるだろう。
逆に何も変更がなかった場合はどうだろう。おそらく円は弱含み、日経平均株価は反発を見せるかもしれない。しかし、これで市場の警戒感は後退するだろうか。次回以降も政策変更の警戒感は続くのではないだろうか。そうなればクロス円が上昇(円の弱含み)したところは絶好の戻り売りになると推測する。もちろん日経平均株価も反発したところは戻り売りのチャンスと捉えている。
結局のところ、円と日経平均株価は日銀の新総裁が決定し、どのような政策をとっていくのかある程度見えてくるまでは今の流れが継続すると現時点では見ている。
続いてドルと米株については、先週発表されたCPI発表後の動きが暫く続き、ドルは主要通貨に対して上値の重い展開、米株は下値の堅い堅調な推移を見せると予測する。
但し、先週の相場分析でお伝えした内容を再掲するが、数カ月単位あるいはそれ以上の期間でポジションを持つトレードをするのであればドルはロングしておきたい通貨だと思っている。
何故なら、インフレがピークを過ぎたと言われているものの、FRBが掲げているインフレ目標2%には程遠く、実際にはまだインフレは高い状態と言えるレベルであり、この状態が長期化することをFRBは避けなければならないし、そのように発言しているからである。
市場はFRBからのメッセージを過小評価して、ドルが売られ、株が買われているが、少し前のめりに利下げ期待を織り込み過ぎているように思われる。
※この記事は投資判断を促すものではございません。実際の最終的な投資判断はご自身で行ってください。この記事により生じる損害について一切の責任を負いません。
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