3.15 金融政策WEEK【無料記事】
※当記事は売買タイミングを指示、または推奨するものではありません。
ご自身での投資判断をお願いします。
金融政策WEEKが本日からスタート。
先週ECBが債券購入拡大で金利高を牽制したのは記憶に新しくマーケットの焦点が金利の上昇に置かれている。
3月16-17日にFOMC、3月18-19日に日銀金融政策決定会合を控えてイベントを織り込む動きが進みやすいと考えられる。
また米国夏時間への切り替えも行われるので指標発表やマーケット入り時間に変化が出てくるところも頭に入れておきたい。
////FOMC/////
3月4日パウエル議長講演にて、拾えるヒントは二つ。
政策スタンスは適切とした発言と米金利の上昇について注目に値し、留意していると述べた部分。
FRBとしては現在の金利高を”経済が活発化へと向かっている”ための正しい方向の金利高と年初から主張してきている。
マーケットはそれに対してインフレ懸念での金融引き締めを想定した負の方向の金利高への疑念はなかなか晴れない。
イエレン長官も先日消費者物価指数の高まりを受けて「インフレ懸念が高まっているとは思えない」と相変わらずの論調で議長だった頃からのスタンスは変わっていないと見える。
パウエル議長の発言もイエレン長官に呼応するようにスタンスは変えてこないだろう。
財政政策として金利上昇誘導しながらドル高方向へ進めつつ、インフレ率も徐々に上げていく結果的にアメリカに資金が集まり、価値の上がるドル保有が増えるのでドルを使うアメリカとしてはインフレでの現金の価値の希薄化をその他の国より受けにくい形になっている。
経済を上昇させるにはトランプ大統領が取った外貨獲得の通貨安、貿易収支で経済を回す形と、投資を呼び込みドルを持つ意味を持たせアメリカ国内を活発化させるドル高での経済再生と両面の施策があるが、現在の状況を鑑みるにドル高方向への政策転換が行われたと見て良いのだろうと考えている。
日本で見ていると通貨安の方が貿易黒字を招き景気が良くなるイメージがあるが国土も小さく内需で国を回すには土地も規模も足りないため、基本的に我が国はこの施策は取れない。
この点で見たときにアメリカと日本のスタンスは合致しているように考えられ、ドル円の上昇は緩やかにこれからも続いていくと考えられる。
オーストラリアやカナダのような資源国は貿易赤字を毎年続けているが、投資を呼び込むことによって回っている国で、彼らとしては通貨高になった方が経済的には活況になりやすい。
最もどの国も”緩やかな”動きが理想で、急速な変化はマイナス要因をもたらしやすく短期的には抑える必要も出てくる。
少し話がそれたが、FOMCはマーケットが期待しているツイストオペ(短期を売って長期を買い入れを行いポートフォリオの拡大はしないので短期的な効果が期待されマーケットを沈静化させることができる)は議長発言の政策スタンスは適切を見るに行われないと考えるのが無難であると見える。
政策要旨に変更はないとするならば、見るべきはドットチャートになってくるだろう。
金利高のもう一つの憂慮する点、いったいいつ引き締めが行われるのか。
2023年まで何度も0金利政策を続けると伝えてきているが、出口の話は常に出てくる。
ドットチャートに変化があるようならば負の方向に捉えてくる可能性が高く、株価に影響が出てくるだろう。
逆に言えば現行から変化なしであれば債券売りが更に加速することが想定される。
一段の金利高ともなれば現在続いているグロースからバリュー株へのアロケーションもまた更に続くことになりハイテク株は軟調に推移し、コロナ禍で低位を推移していた株は上がりやすくなる。
2020年急速に進んだダウーナスダックの力関係が変わり、ダウ買い、ナス売りへの流れが続くのではないかと考えている。
筆者の予測としては現状維持、ドットチャート変更無しを考えている。
まだ上げ余地は考えられると見ておりマーケットがインフレを強く懸念し、株売り債券買いへと舵を切る水準はもう少し高いと見ている。
////日銀政策金利決定会合////
年初から政策点検を続けていた結果が今回の決定会合にて公表される。
黒田総裁の施策は毎度スルーしているのだが、日経平均の動きに今回は直結しそうなこともあり注目しておきたい。
まず現在までの日銀の動きを整理したい。
先般、ETF買い入れをより柔軟に行うため株高では買い入れを行わないことを示し、実際に30000円を上回る状況のときの通例TOPIX前日比マイナス0.5を過ぎても買い入れが行われなかった。
実際現在のところ日銀の存在感がかなり増大しており、官製相場で支えてきたこれまでの政策に対して少し変化が生じてきていると考えて良いだろう。
およそ10年に渡るスタンスの変更なのでここ数年の流れを踏襲する方向にスタンスを持つと思うような結果が得られないのではないかと考えている。
状況としては株高は当然維持したい、しかし日銀のETF保有残高も憂慮すべき水準に達してきており官製相場からは脱却したい、といったところだ。
要は今回の点検結果についての説明力が非常に問われる。
マーケットが現在織り込んでいるのは年6兆円としているETF買い入れ目標の削除、前年も使い切ってないのでこれは妥当だと考えている。
仮にこの国がアメリカであれば問題なく進みそうだが、ここは日本で経済状況や投資教育の観点から見ても状況は違う。
日銀のこういった姿勢を消極的と見られれば株価の支えが消失すると見られ日経平均は下落リスクを抱えることとなる。
いずれにしても発表が上昇要因になる可能性は低く、現状維持か下落の内容になるだろうと考えられ、決定会合に向かっては直前に利益確定の動きが見られるのではないかと想定される。
他方でサプライズ要因としてマイナス金利深掘りが挙げられている点にも言及しておきたい。
今回はまずやってこないと考えているが、地銀への負担をどこかで肩代わり出来るのであればやってくるだろう。
また道筋を示してくるのであればやってこないにしても円安への要因となりやすい。
そして実質的に緩和への期待が高まり株高方向への支えとして機能するだろう。
ドル円相場への見通し
トレードスタンス:押し目買い
日足レベルで下降ラインが迫ってきており徐々に上値は重くなってきている。
現在109.2で頭を抑えてきているがイベントパワーでいつでも突破できるだろうと見える。
ただし、今週に関しては織り込む動きとポジションを減らす動きが交錯しやすく、上下に神経質な動きになることが予想される。
取り得るスタンスとしては下がってきたらドルロング方向で見ておきつつ、高値圏ではイベントを乗り越えるまで手を出さない方がいいだろう。
短期的にはボックスレンジと見て109.25を明確に抜けてくるのであれば110円付近まで見ておきたい。
現在下限を支えている108.3、昨年レジスタンスとして何度も機能していた108.1、そして直近を支えている107.8をサポートにこのあたりはロングを試しておきたい。
しかしレンジを組んでいるのもあり、108.3で止まらなければ107円円台まで押し込む可能性が高く108.1は値動きを見極める必要があるだろう。
レンジ中央である108.8は反発するだろうがレンジ中央ということもあり、長く握れる位置ではない。
ただ、短期上昇ラインを形成しているので背中をトレンドラインに置いておくのであればリスクリワード的には上々になると見ている。
ユーロドル
トレードスタンス:戻り売り
日足チャートだが、2017年と酷似した上昇を続けてきたユーロドルだったが、ユーロ買いは一旦納まり、金利差の拡大もあってユーロドル自体はベア推移をしている。
1年2年の目線で見たときにユーロドルは緩やかな下落が想定され現在その天井付近にいると見ても良いのではないだろうか。
金融政策の観点からも債券買い入れ拡大を示したECBと金利高に対策を取らないFRBで方向的にも合致している。
短期チャートに目を移してみると下降チャネルの角度が変更され現在は上記レンジで推移していると考えられる。
テクニカルチャート的に見ると重いラインは1.205、そして1.202、1.2この付近になり1.2から上1.205までの間にポジションショート方向を持ちたい。
ただし、テクニカルチャート上チャネルセンターラインも迫ってきており、1.2に届かずに切り下げる可能性も高い。
デイトレレベルのチャネル推移を見ると上昇チャネル形成のセンターラインで反発して金曜日の相場を引けている。
上記二点を踏まえてスタンスとしては
1.2以上は売り、そして1.191以下は売りというスタンスで立ち回ろうと考えている。
その他銘柄は上記記事で更新
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