ゴールドの日中に「トレンド」はあるのか。本物の値動きと、並べ替えた“でたらめ”を比べた
検証ノート|ゴールドの「常識」を数えてみた 第1回
「ゴールドはトレンドが出やすい」「トレンドに乗れば勝てる」。FXや商品の説明で、よく見かける言葉です。
筆者はゴールドの短期売買のルールを研究しています。その中で、こうした「常識」が本当に数字に出てくるのかを、過去の1分足で一つずつ確かめてきました。この連載では、その結果を図と一緒にお見せします。
第1回のテーマは「ゴールドの日中に、トレンドはあるのか」です。
まずはクイズ:本物はどれ?
4つのうち2つは、本物のゴールドの1日(日本時間の朝7時から翌朝7時)の値動きです。残りの2つは、ある日の1分ごとの上げ下げを、順番だけでたらめに並べ替えて作った日です。
並べ替えた日は、上げ下げ1つ1つの大きさも、始値も終値もその日と同じです。ただ、順番がくじ引きなので、「流れ」や「勢い」は入っていないはずです。
4つとも、始値から大きく下げて終わった「下げの日」です。本物はどれでしょうか。答えは記事の後半にあります。
確かめ方:本物の日と、並べ替えた日を比べる
2010〜2019年のゴールドの2,581日について、1日ずつ、1分ごとの動きを200回でたらめに並べ替えた日を作りました。そして、「一方向の日」が本物の日と並べ替えた日でどのくらいあるかを数えました。
一方向の日とは、始値から終値までの動き(ローソク足の実体)が、その日の高値から安値までの幅の7割以上ある日です。チャートを見て「今日はトレンドが出た」と感じる日は、だいたいこの形です。
もしゴールドの値動きに「一度動き出すと続く」性質があるなら、本物の日のほうが、並べ替えた日より一方向の日が多くなるはずです。
結果:一方向の日は、でたらめな日と同じ割合
本物の日のうち一方向の日は20.9%、並べ替えた日では21.6%でした。ほとんど同じで、むしろ本物のほうがわずかに少ないくらいです。
年ごとに見ても、差はどの年も2.4ポイント以内。本物のほうが多かった年は10年のうち3年だけでした。
つまり、5日に1日くらい「トレンドの日」があるのは、値動きの順番がでたらめでも起きることでした。チャートを後から見ると、はっきりした流れがあったように見えます。でも、その「流れ」の多さは、でたらめな値動きと見分けがつきませんでした。
この先で分かること
- クイズの答えと、本物と並べ替えを見分ける手がかり
- 1日の「まっすぐさ」の分布の比べ(図)
- もっと短い時間(5分〜4時間)で見ると、トレンドはあるのか
- 2020年以降のゴールドでも同じか(2026年9月まで)
- 「途中から流れに乗る」売買を確かめた結果
- 「トレンドを捉える」と書かれた手法を見るときの3つの質問
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