「AIバブル崩壊?」半導体株が1日で12%安。中間選挙の翌日に何が起きたのか
選挙結果を受けて上がった翌日に、まさかの急落。
11月5日の米国株、チャートを開いて驚いた方も多かったのではないでしょうか。
主要3指数はそろって大きく下げ、特に半導体株がまとめて売られる展開になりました。ビットコインも株につられるように下げています。
SNSでは「AIバブル崩壊か?」という声も見かけます。バブルとは、実力以上に期待だけで価格が上がりすぎている状態のことです。
本当にそこまでの話なのか。今夜の雇用統計も控えているので、いったん材料を整理しておきたいと思います。
忙しい人向けに、先にざっくり
- 米国株は3指数そろって大幅安。半導体(SOX)は約12%安
- 背景には、AIへの規制の心配と企業の決算・見通しが重なったことがありそう
- ビットコインも一時7万6000ドル割れ。株と同じ「リスク資産」として売られた印象
- 今夜の雇用統計で、金利の向きがどう変わるかに注目
- 僕の見方は、「崩壊」と決めるのはまだ早い。ただし注意は必要
まずは数字で振り返り
| 指数(11月5日) | 前日比 |
|---|---|
| NYダウ | -3.4% |
| S&P500 | -4.4% |
| NASDAQ | -5.5% |
| SOX指数(半導体) | 約-12% |
SOX指数は、半導体関連の銘柄をまとめた株価指数です。この下げ幅は2020年3月以来の大きさと報じられています。
前日の選挙後の上げを、1日でほぼ打ち消した形ですね。
▼ チャート① US500(米国の株価指数)
選挙後の上げを、翌日にほぼ打ち消した
なぜここまで売られたのか?
ひとつの理由で説明するのは難しく、いくつかの材料が同じタイミングで重なったように見えます。
① AIへの規制が強まるかも、という心配
民主党が上院・下院の両方で多数派になったことで、AIやデータセンターへのチェックが厳しくなるのでは、という見方が出ています。データセンターは電気や水を大量に使うため、地域によっては電気代や環境への影響を心配する声もあります。
② 「AIで本当に稼げるの?」という見直し
AIが広がっていくこと自体は、たぶん間違いありません。ただ、「AIの需要が伸びる」ことと「関連企業が投資に見合う利益を出せる」ことは別の話。土地・建物・GPU・電力設備と、データセンターには莫大なお金がかかります。
③ 企業の決算・見通し
QualcommやArmは、決算や今後の見通しを受けて大きく売られました。NVIDIAやAMD、Micronなど、AI関連の半導体株も軒並み下げています。
もちろん、選挙の結果だけでデータセンターの建設が全部止まるわけではありません。ただ、これまで「順調に広がるはず」と見られていたAIへの投資に、不透明感が出てきたのは確かだと思います。
▼ チャート② SOX指数(米国の半導体株指数)
1日で約12%の下げ。2020年3月以来の大きさ
期待が大きかった銘柄ほど、その期待が少し崩れただけで値動きも大きくなりやすい。今回の半導体株は、まさにそんな動きだったように感じます。
ビットコインも株と一緒に下げた
前日に8万ドル台まで戻していたビットコインも、5日は株と一緒に売られました。
- 一時7万6000ドル割れ。約7週間ぶりの安値
- 値下がりで買いポジションが強制的に決済される「ロスカットの連鎖」が起き、24時間で10億ドルを超えたとの集計も
- ここ数日は、ビットコインETF(証券口座で買える投資信託のような商品)からの資金流出も重なっていた
「株とは別もの」と言われることもあるビットコインですが、今回はNASDAQとほぼ同じタイミングで下げています。株がもう一段崩れるようなら、ビットコインも影響を受けやすいのかもしれません。
雇用統計は相場にどう影響する?
米雇用統計(10月分)
発表:11月6日(金)22:30(日本時間)
予想:雇用者数 +6.5万人前後(前回 +2.9万人)/失業率 4.2%
いま市場では、12月にFRB(アメリカの中央銀行)が利上げするかどうかが意識されています。雇用統計は、その見方を左右しやすい指標です。
あくまで「こういう見方もできる」という整理ですが、ざっくり3パターンで考えています。
予想より強かった場合
利上げの見方が強まって、金利が上がるかもしれません。そうなると、すでに売られている半導体株やビットコインには、もう一段の重しになる可能性もあります。
予想どおりだった場合
雇用統計そのものは大きな材料になりにくく、引き続き「AI・半導体の見直し」が相場の主役になりそうです。
予想より弱かった場合
利上げの見方が後退して、金利がさらに下がるかもしれません。株には支えになりうる一方で、「景気が弱いのでは」という別の心配が出てくる可能性もあります。
どのパターンでも、発表直後は上下に大きく振れやすい時間帯です。僕は結果に飛びつくより、動きが落ち着いてからチャートを見直すつもりでいます。
本当に「AIバブル崩壊」なのか?
「崩壊」とまでは言いにくい理由
AIの普及が止まったわけでも、データセンターの需要がなくなったわけでもありません。1日の急落だけで「AIバブル崩壊」と決めつけるのは、まだ早い気がしています。
それでも注意したい理由
規制の心配、投資を回収できるのかという疑問、決算の弱さ。これまで見えにくかった不安が、一度に表に出てきました。
これまでの「AI関連なら何でも買われる」相場から、「ちゃんと稼げる会社かどうか」が問われる相場に変わっていく可能性はありそうです。
個人的に追いかけたいのは、この4つです。
- SOX指数が下げ止まるかどうか
- 主要な半導体企業の決算
- データセンター投資の進み具合
- 雇用統計のあとの金利の動き
今回の急落が一時的な調整で終わるのか、それとも本当にバブル崩壊の始まりなのか。株価だけでなく、その裏にある材料も引き続き追いかけていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 少しでも参考になったら、「いいね」を押してもらえるとうれしいです。次の記事を書く励みになります。
※本記事で扱っている相場価格や数値は、11月5日〜6日時点の市況データをもとに記載しています。