VPS不正アクセスをきっかけに、私がやった対策とPCの変化に気づけるツール
今、世の中で騒がれているハッキング事件。
みなさんは、どう感じましたか?
「怖いな」と思った方も、「自分は大丈夫かな」と心配になった方もいるのではないでしょうか。
私は、正直怖いなと感じました。
EAを動かしていると、家にいないときもPCやVPSは動き続けていますよね。
そんなときに、「もし、そのPCに何か変化があったら、すぐに知りたいな」と思ったことはありませんか。
今回は、先日のVPSの不正アクセスをきっかけに、私が実際にやったことと、PCの変化に気づくための、小さなツールを作った話をします。
大げさな話ではなく、体験談と今日からできる備えを、やさしくお伝えしますね。
少し長めですが、よかったらおつきあいください。
1. 「怖いな」と思ったのが、きっかけでした
私は、EAを動かしているので家にいないときに、PCに何か変化があれば、すぐに知りたいと思っていました。
最近、大手の企業がハッキングの被害にあったという話を、よく耳にします。
正直、怖いなと感じていました。
これは、あくまで私の気持ちです。
そして私自身も、お名前.com デスクトップクラウドを使っていて、今回の件の影響を受けた一人でした。
正直に言うと、これまでニュースで報じられるハッキングや情報流出は、どこか他人事だと思って、あまり気にしていませんでした。
でも、いざ自分が影響を受ける側になってみると、私の備えは、すべて後手に回っていたことに、気づきました。
「何か、簡単にできる防御策はないかな」。
そう考えたのが、今回のツールを作ったきっかけです。
2. 今回の件について(公式の発表より)
まず、事実を整理しておきますね。
ここは、公式の発表に合わせて書いています。
- 対象は「お名前.com デスクトップクラウド」(FX自動売買向けのVPS)です。
「お名前.com VPS」全般ではありません - 2026年10月21日に、GMOインターネットが発表しました
- 第三者による不正アクセスで、一部の利用者のサーバーに、不正なプログラムが置かれていました。
影響の可能性があるサーバーは、26,739件です - 同社は、「預かっている個人情報の漏えいや、閲覧された情報の悪用は、現時点では確認していない」としています
- 利用者には、サーバーの中に保存していたID・パスワード(FX口座のログイン情報など)の変更が、求められています
- 便乗した偽のメールや電話にも、注意が必要です
状況は、これから変わる可能性があります。
最新の情報は、必ず、公式の発表をご確認ください。
公式の発表:お名前.com(GMOインターネット)の、2026年10月21日付の「お知らせ」です。
私は、お名前.comやGMOを責めたいわけではありません。
起きたことを事実として受け止めて、利用者として、自分にできることをやる。
それだけです。
3. 私に届いたメールと、私の口座
私と、知り合いに届いた「最初のメール」
実は、「ハッキングチーム」と名乗る差出人からの、最初のメール(2026年10月24日)が、私のところに届きました。
このメールは、多くの人に一斉に送られたようで、すでに知っている方も、多いと思います。
私の知り合いにも同じメールが届いています。
その知り合いは今回の件の対象になった企業とは、まったく関係のない人たちです。
私は、「私の登録しているメールアドレスが、どこかから読み取られたのかもしれない」と思っています。
ただ、これはあくまで私の推測です。
公式の発表で、そう言われているわけではありません。
なお、このメールの内容が本当かどうかは、私には確認できません。
このようなメールの中のリンクは、開かないでください。
つまり、対象のサービスを使っていない方のところにも似たメールが届く可能性がある、ということです。
身に覚えのないメールは、リンクを開いたり、添付ファイルを開いたりしないで、まず公式の発表と見くらべてくださいね。
VPSにあった、私の口座について
私の場合は、VPSにあった口座に、被害はありませんでした。
ただ、X(旧Twitter)などでは、かなりの被害を受けたという方の投稿も、見かけました。
私が見かけただけで、人数や、くわしい状況は、確認できていません。
ただ、これも、私の環境で確認できた範囲の話です。
ほかの方も同じだと、言えるわけではありません。
だからこそ、パスワードの変更やログインの確認は、念のため早めにしておくことをおすすめします。
4. 私が実際に、すぐ実行したこと
今回の件を知って、私がすぐに実行したことをそのまま書きますね。
- 考えられるパスワードは、ほぼすべて変更しました
- ウイルススキャンを、複数の種類で何度か試しました(Windows Defenderのフルスキャン、Microsoftの公式スキャンツールなど)。
確認できた範囲では、脅威は見つかっていません - PCを調べていて、使っていなかったWindowsの「リモートデスクトップ」が、オンのままだったことに気づきました。
オフにしました - リモートデスクトップの接続履歴(今回のサーバーの名前)を、削除しました
- PCの変化に気づく「見守りツール」を作りました
ウイルススキャンで「見つかっていない」ことは、「感染していない」や「安全」を意味するわけではありません。
私が確認できたのは、あくまで「見つかっていない」というところまでです。
そして、私の体験はあくまで一例です。
すべての環境に当てはまるとは限りません。
3つ目の、「使っていないのに、オンのままだったもの」。
これは意外と気づきにくいんです。
「そういえば、あの設定どうなっていたかな?」と見直すだけでも、いい備えになりますよ。
5. ツール「SecurityWatch」とは
作ったのは、「SecurityWatch」という、Windows用の小さなツールです。
いちばん大事なことを、先にお伝えしますね。
SecurityWatchは、入られるのを防ぐものではありません。
入られたこと、PCが変わったことに「気づく」ための、助けになる道具です。
セキュリティソフトの代わりには、なりません。
SecurityWatchは、アプリ(ソフト)ではなく、「スクリプト」です。スクリプトとは、パソコンへの命令を文字で書いたファイルのことです(Windowsの、PowerShellという仕組みで動きます)。
そのため、市販のセキュリティソフトのような本格的な機能はありません。
購入できる方は、セキュリティアプリ(セキュリティソフト)などの、導入もおすすめします。このツールは、それとは別に、「変化に気づく」ための、補助として使ってください。
どんなふうに動くのか
- 5分おきに、PCの状態を確認します
- 変化があったときだけ、あなた自身のDiscordに通知します
- 毎日1回、「動いています」という連絡も、届きます。
これが来なくなったら、ツールが止まった合図です - 通知は、あなた自身のDiscordだけです。
作者の私には、何も送られません。
パスワードやキーも、通知には含まれません
見ているもの
- 自動で起動するソフトが増えていないか?
- 新しい予約タスクができていないか?
- 新しいサービスが追加されていないか?
- ユーザーや管理者が追加されていないか?
- 新しく開いた入口(ポート)が無いか?
- リモート操作ソフトが現れていないか
- Windows Defenderの保護がオフになっていないか?
- 外からのログインの成功とログイン失敗の連続(管理者の許可のもとで確認します)
見られないもの
- ファイルや、ブラウザの中身が持ち出されること
- EAの中の動き
- 変化が起きた、その瞬間(最大で、5分遅れます)
「全部を守ってくれる」ものではなく、「あれ?いつもと違うな」に、気づきやすくするものだと思ってください。
中身は、すべて読めます
ファイルは、4つだけです(SecurityWatch.cmd、SecurityWatch.ps1、README.md、LICENSE)。
本体は1ファイルで、中身がすべて読めるので、気になる方は、先に見てから使えます。
先に準備:DiscordのWebhook URLを作る
通知を受け取るために、DiscordのWebhook(ウェブフック)のURLが必要です。
次の手順で作れます。
- Discordで、通知を受け取りたいサーバーを用意する(自分だけのサーバーが、おすすめです)
- 通知を受け取るチャンネルの、歯車マーク(チャンネルの編集)を開く
- 「連携サービス」を開く
- 「ウェブフック」から、「新しいウェブフック」を作る
- 作ったウェブフックの、「ウェブフックURLをコピー」を押す
- そのURLを、このあとのインストールのときに、貼る
WebhookのURLは、パスワードと同じです。人に見せたり、スクリーンショットに写したりしないでください(URLを知っている人は、あなたのDiscordに、メッセージを送れてしまいます)。
Discordの画面や、メニューの名前は、変わることがあります。
見つからないときは、Discordの公式ヘルプも、あわせてご確認ください。
スマホでも、通知を受け取れます
スマホに、Discordのアプリを入れて、同じアカウントでログインしておけば、通知は、スマホにも届きます。
家にいないときでも、外出先で、すぐに気づけます。
スマホ側の、Discordの通知の設定は、オンにしておいてくださいね。
入れ方
ダウンロードと、インストールの手順は、この記事の一番最後に、まとめて書いています。
6. ツールの仕組み:「家の見回り係」で考えてみましょう
専門用語が多くなりがちなので、ここでは、「家の見回り係」にたとえて説明しますね。
ツールを入れることは、「家に、静かに見回ってくれる係を、2人雇う」ことです。
- 見回り係は、画面には出ません。5分おきに、家の中を見て回ります
- 最初に1回、家の中の「写真」(基準)を撮ります。
次からは、写真と比べて、違うところだけを、持ち主の携帯(Discord)に連絡します - 何も変わらなければ、何も言いません(静かです)
- 毎日1回、「見回り係は元気です」と連絡が来ます。これが来なくなったら、見回り係がいなくなった(止まった)合図です
実際には、Windowsの標準の機能を使って、5分おきにPCの状態を確認し、前回と比べています。
インストールの手順を、例え話にすると
- 「はい」(管理者の許可)を押す = 見回り係に、家の中を見る許可を出す
- 説明の画面で「はい」 = 見回りの内容(何を見るか、何を変えるか)を、確認してから、仕事を始めてもらう
- DiscordのWebhook URLを貼る = 「何かあったら、ここに連絡してください」と、自分の携帯の番号を、見回り係に渡す。
この番号は、見回り係の手帳(自分のPCの中)にだけ書かれ、作者には渡りません - Windowsの設定(ログの大きさ、記録の設定) = 玄関の来客ノートを、大きいものに替え(約2週間分、書けるようになります)、「誰が、いつ来たか、来ようとしたか」を、ノートに確実に書く習慣をつけます
- 見回り係を2人雇う = Windowsの「予約タスク」を、2つ作ります
4番目のように、このツールは、Windowsの一部の設定(ログの大きさと、記録の設定)を、変更します。
気になる方は、先にスクリプトの中身を読むか、説明の画面で、内容を確認してください。
見回り係2人の役割
家の中を見る係
見回り方:家具が増えた、合鍵が増えた、窓が開いた、知らない人が住み始めた、を見る
実際に見ているもの:自動で起動するソフト、新しい予約タスク、新しいサービス、ユーザーや管理者の追加、新しく開いた入口(ポート)、リモート操作ソフトの出現、Windows Defenderの保護がオフになったこと
玄関のノートを見る係
見回り方:外から来た人、何度も入ろうとして失敗した人、新しい住人が増えたことを、ノートから読む
実際に見ているもの:外からのログイン成功、ログイン失敗の連続、新しいユーザーの作成、グループへの追加、新しいサービスの登録
出来る事・出来ない事
出来る事:「家具が増えた」に気づく
出来ない事:入ってくるのを、止める(鍵の役目は、別です。パスワード、2段階認証、使っていないリモート接続を閉じること)
出来る事:ノートに書かれた、来客の記録を読む
出来ない事:家の中の書類を、写真に撮って持ち出されたことに、気づく
出来る事:5分おきに見る
出来ない事:入られた、その瞬間に、気づく(最大で5分遅れます)
このツールは、「鍵」ではなく、「見回り係」と「防犯カメラ」を合わせたようなものです。「これで安全になる」道具ではなく、「変化に気づく助け」になる道具だと、思ってください。
やめたいとき
もう一度、同じファイルを開いて「削除」を選ぶと、見回り係は2人とも、いなくなります。
手帳(記録)も片付きます。
ただし、来客ノートの大きさの設定はそのまま残ります。
7. 通知について
変化があったときの例
たとえば、「知らない合鍵(新しいユーザー)」が作られたとき、携帯(Discord)に、次のような連絡が届きます。
⚠️ 見守り: ➕ [ユーザー] 増えました: ○○(時刻)
連絡が来たら、「身に覚えがあるか」を、確認してください。
身に覚えがなければ、サービス提供元の案内と、専門家の助言に従って、調べて対処してください。
Windowsの標準の動きでも通知が来ることがあります
Windowsは、自分でも予約タスクを作ったり消したりします。
そのため身に覚えのない通知が来ても、すぐに悪いものとは限りません。
私のPCにも、「SoftLanding」という名前の予約タスクが増えたり消えたりした通知が届きました。
Windowsが自分で入れ替えているタスクの1つのようです。
確かめるときは、「タスク スケジューラ」を開いて作成者を見てください。
「Microsoft Corporation」ならWindowsのものです。
身に覚えがなく作成者もわからないときは、サービス提供元の案内と専門家の助言に従ってください。
何かあったときの記録は、ここにあります
ツールの記録は、次のフォルダに入っています。
C:\ProgramData\SecurityWatch\
エクスプローラーの上のアドレス欄に、この場所を貼りつけて、Enterキーを押すと開けます(ProgramDataは、ふだんは見えない「隠しフォルダ」です)。
- alerts.log:通知の記録です。
メモ帳で開けます。
Discordに通知が届かないときの確認にも使えます(Discordへの送信に失敗したときも、ここに残ります) - baseline.json:PCの「基準の状態」(最初に撮った写真)です
- webhook.txt:DiscordのWebhook URLです。
人に見せないでください
ツールを削除すると、このフォルダも、いっしょに消えます。
8. 今日からできること
ツールを使わなくてもできる、備えもあります。
次のチェックリストを、見てみてください。
- パスワードの使い回しをやめる(特に、FX口座、メール、Googleアカウント)
- 2段階認証をオンにする(Googleアカウント、ブローカーなど)
- 使っていないリモートデスクトップ(WindowsのRDP)を、オフにする
- ブローカーの、ログイン通知をオンにする
- VPSに保存しているID・パスワードを見直す。
サーバーの中に、パスワードを保存しない - 便乗詐欺(偽のメール、電話、サイト)に注意する。
身に覚えのないメールは、リンクや添付ファイルを開かない
便乗詐欺については、公式の連絡は公式サイトと、登録しているメールで確認しましょう。
メールや電話のリンクから、ログインしないようにしてくださいね。
不正アクセスの疑いがあるときは、サービス提供元の案内と、専門家の助言に従ってください。
9. ご利用にあたっての注意
SecurityWatchは、次の点を、ご理解のうえで、使ってください。
- セキュリティソフトの代わりではありません。
本ツールはスクリプトです。
購入できる方は、セキュリティアプリなどの導入もおすすめします。
入られるのを防ぐものではなく、変化に「気づく」ための道具です。
「これで安全」という保証は、ありません - 動作確認は、私のWindows 11と、標準のWindows Defenderの環境だけです。
他社のウイルス対策ソフトが入っているPCや、他のWindowsの版では、試していません。
動作は保証できず、警告されたり、動かなかったりすることがあります - 初版で、試験中です。
使用による損害について、作者は、責任を負いません - 私の体験は、あくまで一例です。
すべての環境に、当てはまるとは限りません
まとめ:「気づける」ことが、いちばんの備え
今回の件で、私は、「大きな被害は、他人事ではない」と感じました。
でも、怖がってばかりいても、前に進めません。
パスワードを見直す。
使っていない入口を閉じる。
そして、変化に気づける仕組みを、ひとつ持っておく。
そんな小さな備えを、積み重ねていきたいと思っています。
SecurityWatchは、そのための小さな道具です。
よかったら、試してみてくださいね。
最新の情報は、公式の発表を、ご確認ください。
注意書き
本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。
ご紹介した内容は筆者の体験の一例で、効果や安全性を保証するものではありません。
ツールの利用は、ご自身の判断と責任で行ってください。
これを使ってみたいという方へ
素人ながら、いろいろと知恵をしぼって、なんとか作ってみた、ささやかなツールです。
至らない点も、きっと多いと思います。
申し訳ありません。
それでも、「使ってみたい」と思ってくださる方がいらっしゃれば、とても嬉しいです。
ダウンロードは、この記事の添付ファイルから行えます。
ダウンロードと、インストールの手順
ダウンロードから、インストールまでの手順を、順番に書いておきますね。
別のPCで、ダウンロードからインストールまで、できることも確認しました。
- この記事の添付ファイル「SecurityWatch.zip」をダウンロードする
- ZIPを、右クリック →「すべて展開」する
- 展開されたフォルダの中の、「SecurityWatch.cmd」をダブルクリックする
- 「はい」(許可)→「はい」(インストール)の順に選び、DiscordのWebhookのURLを貼る
ZIPを展開すると、中に、ファイルが4つ入っています。
インストールが終わって、1〜2分すると、Discordに「開始しました」と届きます。
毎日1回、「動いています」という連絡も届きます。
つまずきやすいところ
- 携帯でダウンロードしても、PCでは動かせません。
インストールするPCで、ダウンロードしてください - Windowsの「SmartScreen」や、ウイルス対策ソフトから、警告が出ることがあります。
このツールは、予約タスクを登録して、Windowsの設定を変えるためです。
中身はすべて読めます。
不安なときは、インストールしないでください - 削除したいときは、同じファイルをもう一度開いて「いいえ」(削除)を選びます