【ザ・トレーディング編】第23回:あなたの注文は海に届いていない!?「FX業者」の甘い罠と残酷な真実??

前回(第22回)は、農場主とウォール街の金融マンが入り乱れる「先物市場」の熱気と、わずかな資金で巨額を動かすレバレッジの恐ろしさについてお話ししましたね。厳格なルールの下で戦う先物市場は、リスク管理を怠れば一瞬で資金を失う厳しい戦場でした。
さて、今回はついに、日本の個人トレーダーに最も人気があり、誰もがスマホアプリで手軽に始めている「FX(外国為替証拠金取引)」の世界にメスを入れます。
結論から言うと、この第8章でエルダー博士が最も強い警告を発しているのが、このFXです。
あなたが毎日見ているそのチャートの向こう側で、一体誰が、どうやって利益を上げているのか? 今回は、金融業界がひた隠しにする「FXの残酷な裏側」を赤裸々に語ります。少しショッキングな内容かもしれませんが、大切な資金を守るために必ず知っておくべき真実です。
1. 1日4兆ドルが動く「世界最大の海」
まず、外国為替市場そのものは、世界最大の資産クラスです。 日曜日から金曜日まで24時間眠ることなく取引され、1日あたりの取引量はなんと4兆ドル(数百兆円)を超えます。 通貨のトレードの大半は、輸出入業者のリスクヘッジなどではなく、「価格変動を狙った投機取引」によって占められています。
ここまでは、流動性が高くて素晴らしい市場に聞こえますよね。 問題は、海そのものではなく、「私たちがその海(インターバンク市場)へアクセスするルート」にあります。
2. 最大の敵は「味方の顔をしたFX業者」
あなたが株や先物をトレードする時、証券会社はあなたに代わって注文を市場に流す「代理人(味方)」です。彼らはあなたから取引手数料をもらうことで利益を上げています。
しかし、大半の初心者が口座を開設する「FX専門業者」は、あなたの代理人ではありません。彼らはあなたの「敵」なのです。
利益が完全に対立する: 大半のFX業者は、あなたのトレードの「反対側」に回ってポジションを取ります。 つまり、あなたがトレードで損をすれば、そのお金はまるまるFX業者の利益になります。 逆に、あなたが儲かれば、FX業者が身銭を切って損をする構造になっています。
注文は海に届いていない(呑み行為): 多くのFX業者は、あなたの注文を実際の外国為替市場(インターバンク市場)へ流さず、自社内(業者のコンピューターの中)に留めてしまいます。 これは「場外取引」と呼ばれ、実際のトレードは存在せず、会社の帳簿に電子的な記録として保存されるだけです。

3. 「顧客の金=最初から俺たちの金」という狂気
業者があなたの注文を外の市場に出さない理由は非常にシンプルです。
「せっかく顧客が差し出した戦利品(資金)を、どうして他人と分け合わなければならないのか」
これが彼らの本音です。 顧客が資金を全額失うことに対して相当な確信があるため、FX業者に預託されたお金は、社内では最初から「彼らのもの(いずれ自社の利益になる金)」と同然として扱われています。 実際、多くのFX業者は、顧客を連れてきた従業員に対して、その顧客の資金をベースにした報酬を支払っています。
4. 殺人的なレバレッジの本当の目的
では、どうすれば顧客に「確実かつ素早く」資金を失わせることができるのか? その究極の兵器が「異常な高レバレッジ」です。
一瞬で刈り取る罠: FX業者は、顧客の負けを確実にするために、100倍、さらには400倍といった殺人的なレバレッジを提供します(※現在の日本では規制がありますが、海外FXなどでは健在です)。
少しの逆行で破産: 1000ドルしか持っていない初心者が、突然10万ドルのポジションを持ててしまいます。 これにより、価格がほんのわずかでも不利な方向に動けば、顧客は全資金を失い、業者はノーリスクで利益を回収できるのです。
実際、米国のCFTC(商品先物取引委員会)の高官は、「通貨トレードは今日、一番はやっている詐欺行為になってきた」と語気を強め、ウォール・ストリート・ジャーナルは「FX被害者の平均損失額は約1万5000ドルにのぼる」と報じました。

5. プロの解決策:公正な戦場「通貨先物」へ移動せよ
「じゃあ、通貨のトレードは諦めるしかないの?」と思うかもしれませんが、安心してください。博士は明確な解決策を提示しています。