【緊急】お名前.com VPS乗っ取り事件 ― 「勝手に負けるEA」があなたの口座を食い荒らす。今すぐやるべき全対策
運用
こんにちは、チキンファームです。
当ファームのモットーは「ニワトリ(口座)を生かし続けること」。相場で飛ばないこと、生き残ることを何より大事にしてきました。
でも今回ばかりは、相場とはまったく関係ないところから、ニワトリ小屋の扉がこじ開けられました。
正直に言います。私自身、お名前.comのVPSでMT4を24時間動かしていました。ニュースを見た瞬間、背筋が冷えました。すぐにパスワードを全部変え、VPSも乗り換えました。
これは他人事ではありません。EAを回しているすべての人に関係する話です。
■ 何が起きたのか ― 2万6千台が一斉にやられた
10月21日、GMOインターネットが発表しました。FX自動売買向けVPS「お名前.com デスクトップクラウド」に第三者が侵入し、一部のサーバに不正なプログラムを仕込んでいた、と。
影響の可能性があるサーバは、なんと2万6739台。
同日の早朝4時から、全プランのサーバが順次停止されました。つまり、何万人ものトレーダーのEAが、ある朝いきなり止まったわけです。ポジションを持ったまま止まった人もいたはずです。
しかも、サーバ内の情報が見られた可能性がある、とされています。
■ 「DEMOFASTLOSS」― わざと負けるEAという悪夢
本当に恐ろしいのはここからです。
X上では、利用者から次々に悲鳴が上がりました。身に覚えのない取引で、数十万円から百万円を超える損失が出たという報告です。
そして、ある被害者の報告で出てきた名前が「DEMOFASTLOSS」。
損失をわざと出すEAで、勝手に取引されていたというのです。
普通のEAは勝つために作られます。でもこのEAは、負けるために作られている。あなたの口座を、できるだけ速く、確実に溶かすための道具です。
※これらは被害者個人の報告で、公式には確認されていません。
■ なぜ「負ける」のか ― 犯人の狙い(推測)
FX口座から、犯人が直接お金を引き出すのは簡単ではありません。出金先は本人名義の口座に限られているからです。
では、どうするか。
被害者の口座でわざと大きく負ける。その反対側で、犯人が用意した口座が勝つ。こうすれば、被害者のお金が「取引の結果」として犯人側に流れます。
株やFXの乗っ取り事件では、昔から使われてきた手口です。それを、EAで自動化し、大量の口座に一気にやった可能性があります。
なお、アクセス元はフィンランドのIPだったという報告もあります。ただ、こういうものはVPNや乗っ取った別のサーバを経由するのが普通なので、犯人の居場所とは限りません。
■ なぜEA使いが狙われたのか
理由はシンプルです。
VPSでEAを24時間動かすには、MT4に「パスワードを保存してログイン」させておく必要があります。つまりVPSの中には、口座番号とパスワードがセットで眠っているわけです。
VPSに入られた時点で、口座の鍵を渡したのと同じ。
しかも、EAを使う人ほど「放置」が前提です。数日口座を見ない人も多い。犯人にとって、これほど都合のいい相手はいません。
■ AI時代の攻撃は、速くて広い
今回の侵入経路は、まだ公表されていません。AIが使われたかどうかも分かっていません。
ただ、一般論として、攻撃する側も道具を進化させています。弱点を探す、攻撃の仕組みを作る、何万台に同時に処理を流す。こうした作業は、どんどん速く、安くなっています。
一人ずつパスワードを当てる時代から、まとめて一網打尽にする時代へ。守る側も、意識を変えないといけません。
■ 今すぐやること ― 5分でできるチェックリスト
まだやっていない人は、この記事を閉じる前にやってください。
FX口座のパスワードを変更(取引用・投資家用の両方)
使い回しているパスワードも全部変更(メール、業者の会員ページ、ゴゴジャンなど)
二段階認証を設定(業者の会員ページで使えるなら必ず)
10月20日前後からの取引履歴を全口座で確認
便乗した偽メール・偽電話に注意(「補償します」「確認のためパスワードを」は詐欺を疑う)
怪しい取引を見つけたら、すぐに業者のサポートへ連絡しましょう。早ければ早いほど、調査が進みやすくなります。
■ VPS乗り換えの落とし穴
乗り換えるとき、古いVPSからMT4フォルダをまるごとコピーしたくなります。設定も履歴もそのままで楽ですからね。
でも、それはやめてください。
不正なファイルが混ざっている可能性があります。せっかく引っ越しても、泥棒を一緒に連れていったら意味がありません。
新しいVPSにはMT4を新しく入れ直し、EAのファイルだけを、手元のパソコンから入れる。これが安全です。
■ チキンファーム流・口座の見張り術
ここからは、私が実際にやっている、または今回を機に始めた方法です。
① 投資家パスワードでスマホから見張る
投資家パスワードは「見るだけ」のパスワードで、取引はできません。スマホのMT4アプリに投資家パスワードで登録しておけば、万一スマホを落としても取引はされません。VPSとは別の場所から、いつでも口座の様子を確認できます。
② 「知らない取引」の顔を覚える
自分のEAのマジックナンバー、使っている通貨ペア、普段のロット。これを把握しておけば、見慣れない取引にすぐ気づけます。使っていない通貨ペア、急な大ロット、知らないコメント。これが見えたら、警報です。
③ 毎日一回、残高を見る
EAの魅力は「放置できること」。でも、放置していいのはトレードの判断だけです。口座そのものまで放置してはいけません。朝のコーヒーと一緒に、残高を一回見る。それだけで、被害を最小限にできる可能性が上がります。
④ AIを見張り番に使う
攻撃する側が道具を進化させるなら、守る側も使えばいい。取引履歴をAIに読ませて、いつもと違う取引がないかチェックさせる。これは今日から誰でもできます。
■ 生き残るとは、相場に勝つことだけじゃない
チキンファームは、ずっと「生き残り」を一番に考えてきました。ナンピンの段数、ロット、損切り、タイムストップ。すべては口座を飛ばさないためです。
でも今回、思い知らされました。
どんなに慎重に作ったEAでも、どんなに丁寧に設定した資金管理でも、口座の鍵を盗まれたら、たった一晩で全部終わる。
相場リスクを管理するのと同じくらい、口座を守るセキュリティも、トレードの一部です。
ニワトリを守るのは、エサと小屋の広さだけじゃない。キツネが入れない扉も必要なんです。
今回の件で被害に遭われた方には、心からお見舞い申し上げます。補償や調査がよい方向に進むことを願っています。
そして、この記事を読んだあなたのニワトリが、明日も元気に生きていますように。
チキンファーム
※本記事は10月22日時点の公開情報と、X上の個人の報告、一般的なセキュリティの考え方に基づいています。侵入経路や手口は推測を含みます。最新情報はGMOインターネットの公式発表をご確認ください。