EAにAI搭載(Gemini API・Claude・ONNX)を組み込む入門:設計とつまずきどころ【MT5専用】
「AI搭載EA」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか。
AIが相場を読んで、勝手にいい場所を見つけて、稼いでくれる。そんな夢のような話に聞こえるかもしれません。
でも、実際に自分のEAにAIを組み込んでみると、イメージとはだいぶ違います。AIは魔法の杖ではなくて、「材料を渡すと、意見を返してくれる相談役」に近い存在でした。
私のEAには、GeminiやClaudeといったAIに相談する仕組みを入れています。この記事では、その経験をもとに、次のことをできるだけ細かく、わかりやすくお話ししますね。
この記事でわかること
- 何のために、EAにAIを載せるのか
- AIに、どんな判断をさせているのか(そして、何を任せていないのか)
- MT5の中で動かすAIと、外のAI(GeminiやClaude)は、何が違うのか
- AIを組み込むときの全体の設計と、つまずきやすいポイント
- Gemini・Claudeを呼び出す、実際に動くサンプルコード(コピーして使えます)
先に結論から言うと、こうです。
AIを「最終判断者」にしないで、「判断材料を整理してくれる相談役」にする。そして、最後に決めるのは、EAのルールにする。
この考え方が、あとの話の土台になります。
【まだ、EAを作ったことがない方へ】
EAそのものの作り方は、すでに販売している私の有料記事「プログラミング初心者から始めるEA開発」で、解説しています。まだ、EAを自分で作ったことがない方は、先にそちらから、読むのがおすすめです。この記事は、そうして作ったEAに、AIの判断を足すための記事です。
【有料パートには、お試しコードがあります】
有料パートには、コピーして貼り付けるだけで、コンパイルして試せる、お試し用のコードを載せています(第18章。ダッシュボード付きです)。売買はしないので、デモ口座で、安心して試せます。
1. 何のために、EAにAIを載せるのか
まず、いちばん大事な話からです。EAにAIを載せる目的は、「勝てるようにするため」ではありません。
AIを載せたからといって、勝てるようになる保証は、どこにもないんです。大事なのは、「何を、AIに期待するのか」を、先にはっきりさせておくことだと思います。
ルールだけで組んだEAは、「RSIが何以上」「価格がEMAより上」のように、数字で言い切れる条件が得意です。
一方で、「いくつかの状況を、まとめて見たとき、どれくらい自信を持てるのか」のような判断は、ルールに書き起こすのが難しいですよね。条件を足せば足すほど、複雑になって、どこで何が効いているのかも、わからなくなってきます。
そこで、私はAIに、次のようなことを期待しています。
AIに期待していること
- いくつもの材料をまとめて見てもらって、「方向」と「どれくらい自信があるか」を返してもらう
- 材料がそろっていない場面で、「今は見送り」と言ってもらう
- 判断の理由を、短い文章で残してもらう(あとからログを見返せます)
- ポジションを持っている間に、「状況が逆に変わってきた」と知らせてもらう
もちろん、これらが本当にEAの成績をよくしているかは、別の話です。AIを入れた場合と、入れない場合を比べて、確かめる必要があります。正直に言うと、私自身も、AIを入れた場合と入れない場合を、同じ条件で比べた検証は、まだできていません。だからこそ、載せる目的をはっきりさせて、記録を取りながら、確かめていくことが大事だと思っています。
目的をひとつに絞らないで、「何となく流行っているから」で載せてしまうと、よくわからないEAになってしまいます。載せる前に、「AIに何を期待するのか」を、紙に書き出してみてくださいね。