TPを遠くすれば儲かると思ったら、PFが下がり続けた──固定pipsをやめて、ATRに行き着くまで
EURUSD向けEA「境界 - KYOKAI -」が完成するまでに、何を試し、何がダメで、何を残したか。その検証の過程を書いています。
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「利益を伸ばせば、もっと儲かる」。そう思ってTPを遠くしたら、成績は下がり続けました。
前回までで、入口の条件(M15のFirst Touch、BB2.9、ADX22.5)は固まってきました。次に手を付けたのが、出口です。どこで利益を確定し、どこで損切りするか。ここでも、最初は「伸ばせば増える」と思っていました。
TPを伸ばしたら、PFは下がり続けた
同じ入口のまま、TP(利確幅)だけを伸ばしていきました。PF(プロフィットファクター)の結果がこちらです。
| TP100 | PF1.221 | |
| TP150 | PF1.106 | |
| TP200 | PF1.055 | |
| TP300 | PF≒1.00 |
※バーの長さは、PF1.0(損益トントン)を起点に、1を超えた分を表しています。
TP100からTP300まで、見事に右肩下がりです。TP300では、PFはほぼ1.00。勝っても負けても、ほぼトントンになりました。
「遠くまで伸ばせば、利益も大きくなる」は、成り立ちませんでした。遠いTPには届く前に、逆に戻されるケースが増えていたのだと見ています。
ナンピン追加は、数字が良くなった。でも採用しなかった
次に試したのが、含み損が-20pipsまで進んだら、0.01lotを1回だけ追加する方法です。5通貨・643件で比べました。
| 追加なし | 1回追加あり | |
|---|---|---|
| PF | 1.221 | 1.264 |
| 平均損益 | +5.94p | +10.64p |
| 負けた時の損失負担 (価格ベース) |
約-40p | 約-60p |
PFも平均損益も、追加ありの方が良くなりました。数字だけ見れば、追加ありの勝ちです。
それでも採用しませんでした。負けた時の損失負担が、約-40pから約-60pへ、1.5倍に膨らむからです。バックテストの数字が良いことと、安心して出せる商品の仕様であることは、別でした。境界には、この追加は入っていません。
EURUSD専用・M15、水平線のFirst Touch逆張りEA「境界 - KYOKAI -」。出口の仕組みも、マニュアルに載せています。
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固定幅のトレーリングも、決め手にならなかった
「TPで固定するから、伸びる相場を取り逃がす。なら、伸びたら追いかければいい」。そう考えて、固定TP100と、+100pips到達後に25pipsの幅で追従するトレーリングを、EURUSD・2025年で比べました。
| 固定TP100 | トレーリング | |
|---|---|---|
| 取引数 | 243 | 243 |
| 勝率 | 31.28% | 31.28% |
| PF | 1.58 | 1.58 |
| 純利益 | +44,837円 | +44,611円 |
| 最大残高DD | 12,232円 | 11,629円 |
※金額は検証時の設定での比較用です。
取引数も勝率もPFも、まったく同じ。純利益はほぼ同額で、むしろ数百円だけ減っています。最大DDだけは、12,232円から11,629円へ少し良くなりました。
DDが少し改善したのは悪くない結果ですが、利益は増えていません。固定幅のトレーリングは、この形のままでは決め手になりませんでした。
固定pipsの調整は、ここで手詰まりになった
ここまでの結果を並べると、こうなります。
- TPを伸ばす → PFが下がり続けた
- ナンピンを1回追加 → 数字は良くなるが、損失負担が1.5倍になる
- 固定幅のトレーリング → 利益はほぼ変わらない
固定pipsの数字をいじるやり方は、ここで手詰まりでした。そこで次に変えたのは、数字の調整ではなく、出口の物差しそのものです。
H4足のATR(14本の平均的な値動きの幅)を物差しにして、相場の大きさに合わせて出口の距離が変わるようにしました
| 損切り(SL) | H4 ATR14の2倍 |
| トレーリング開始 | 利益が+2ATRに達したら |
| トレーリング距離 | 1ATR |
この形が、今の境界の出口です。
まとめ
- TPを伸ばすと、PFは1.221 → 1.106 → 1.055 → ≒1.00と下がり続けた
- ナンピンの1回追加は数字が良くなったが、負けた時の損失負担が約-40pから約-60pに増えるので採用しなかった
- 固定幅のトレーリングは、純利益がほぼ同じで決め手にならなかった
- 固定pipsの調整が手詰まりになり、出口の物差しをH4 ATRに変えた
この検証の先にできたEA
境界 - KYOKAI -
水平線のFirst Touchを、逆張りで狙うEURUSD専用EA。この連載で書いてきた検証を経て、今の形になりました。
| 対象 | EURUSD専用・M15 |
| エントリー | 水平線(R1・R2・S1・S2)のFirst Touch逆張り |
| 絞り込み | ボリンジャーバンド・ADX・上位足フィルター |
| 決済 | H4 ATR連動のSLとトレーリング |
次回:勝率の高い通貨を選べばいい、わけではなかった。USDJPY・GBPUSD・GBPJPYと比べて、EURUSD専用になるまで。
※過去の検証結果であり、将来の成績を保証するものではありません。