なぜ「見た期間」と「見ていない期間」をわざわざ分けるのか
はじめに
前回の記事では、「頑健性検定」というものが何を確かめるための仕組みなのか、全体像をお伝えしました。今回からは、その中身を1つずつ具体的に見ていきます。1つ目は「IS/OOS分割」と呼ばれるテストです。
IS/OOS分割とは何か
IS(In-Sample)は「見た期間」、OOS(Out-of-Sample)は「見ていない期間」を指します。私たちのAI戦略ビルダーは、指標の組み合わせを探索するとき、使えるデータをあらかじめ2つの期間に分けています。そして、条件や数値の調整はすべて「見た期間」の中だけで行い、「見ていない期間」には一切手を触れません。
条件が固まったあと、はじめて「見ていない期間」のデータを使い、そこでも同じような成績が出るかを確認します。これがIS/OOS分割の基本的な流れです。
なぜわざわざ分ける必要があるのか
理由はシンプルです。全期間のデータを見ながら条件を調整してしまうと、どんな組み合わせでも、その期間「だけ」にはよく効くように微調整できてしまうからです。これは実力ではなく、後出しでデータに合わせているだけの状態です。
「見ていない期間」を最初から取り分けておくことで、私たちは「本当にその条件が有効なのか」「たまたまその期間の値動きに合わせて作られただけなのか」を、あとから公平に確かめることができます。もし見た期間だけで良い成績が出て、見ていない期間で崩れてしまうなら、それは条件そのものの実力ではなく、単なる偶然だった可能性が高いと判断します。
この考え方が意味すること
この分割は、私たちが「疑ってかかる」ための最初の砦です。良い数字が出ても、それが見た期間のものだけであれば、まだ何も証明されていません。見ていない期間でも同じ傾向が保たれて、ようやくスタートラインに立てる、という感覚です。
ここまでで感じたこと
「見た期間」と「見ていない期間」を分けるという考え方自体は、決して難しいものではありません。ですが、この当たり前のひと手間を省略してしまう検証は、実は世の中に少なくありません。次回の記事では、2つ目のテスト「モンテカルロシャッフル」について、トレードの順番を入れ替えるとなぜ何かが見えてくるのか、お話しします。
免責事項
・この記事で発信する内容は、特定の売買を勧めたり、投資の助言をしたりするものではありません。あくまで情報の共有です。
・過去のデータをもとにした検証結果は、将来も同じ結果になることを約束するものではありません。相場は常に変化します。
・実際に売買を行うかどうかの判断は、必ずご自身の責任で行ってください。
・今後ご紹介するインジケーターやツールは、相場を見るための判断材料のひとつであり、それを使えば必ず利益が出る、という意味ではありません。
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