複数のプロップに同時挑戦すべき? ― 集中と分散、どっちが得か検証してみた
プロップの挑戦を始めるとき、こんな話をよく聞きます。「1社だけじゃ落ちるリスクが怖いから、複数社に同時挑戦したほうが合格確率が上がる」。ぼくも一時期、これに乗せられて、3社同時にチャレンジを走らせたことがあります。結果、3社すべて落ちました。
その苦い体験のあと、ぼくは冷静に数字で「集中と分散、どっちが得か」を計算し直しました。すると、驚くほど明快な答えが出てきたんです。「複数社同時挑戦は、合格確率を上げるどころか、むしろ下げる」。この記事は、その計算と、なぜそうなるのかを、正直に書きます。
申し遅れました、lulu.fx と申します。GOLD(XAUUSD)を中心にトレードしている現役の裁量トレーダーで、いまはプロップファームの (A社) に挑戦中です。半年間、自分でEAを組んでは検証する、ということを続けています。
結論を先に書きます。プロップは、まず1つに集中して挑戦するのがおすすめです。この記事の後半で、その根拠を数字と心理の両面から書きます。
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「複数社のほうが確率が上がる」の幻想
まず、なぜ「複数同時挑戦のほうが合格確率が上がる」と多くの人が思ってしまうのか、その錯覚から解体します。よく言われるのは、こんなロジックです。「1社の合格確率が30%なら、3社同時なら1-(0.7^3)=約66%まで上がる」。数学的には正しく見えます。
でも、この計算には致命的な前提の抜けがあります。「3社での挑戦それぞれが、独立事象である」という前提です。もし本当に3社それぞれで、あなたが同じ集中力・同じ判断力で戦えるなら、この計算は成立します。でも実際には、そうなりません。
注意力は3等分される
人間の集中力・判断力は、有限です。1つのチャレンジに全神経を注いでいたときと、3つを同時に見ながら判断しているときでは、1社あたりに使える注意力は、およそ3分の1になります。もう少し正確に言うと、切り替えコストがあるので3分の1以下です。
注意力が3分の1になった状態で、1社の合格確率が30%のままだと思うほうが不自然です。実際には、1社あたりの合格確率が、20%、15%と下がる。3社同時挑戦の合成確率は、単純計算の66%より、ずっと低くなります。
コストと時間も、単純に「3倍」の重み
注意力の話に加えて、金銭コストと時間コストも、当然3倍になります。ここも冷静に見ておく必要があります。
受験料は、単純に3倍かかる
プロップのチャレンジは、有料です。仮に1社の受験料を1万円とすると、3社同時なら3万円。しかも、注意力が下がって落ちる確率が上がるので、「不合格になって受験料を溶かす確率」も、単純に3倍以上になります。3社同時挑戦で3社とも落ちる、というのは、ぼくが1回体験した通り、普通に起こります。
時間コストも同じ
時間も、3社ぶんの管理が必要になります。日次のDDチェック、SL忘れ確認、経済指標の確認、月次の集計──全部が3倍。会社員の副業として空いている時間で回すには、明らかにキャパオーバーです。ぼくが3社同時挑戦したときは、平日の帰宅後、3社のMT4を順番に開いて確認するだけで、寝る時間が削られていました。
ここまでが、この記事の無料部分です。ここから先は、3社同時挑戦の実際の合格確率シミュレーション、メンタルへの影響、そして、1つに集中したときに何が変わるかまで、書きます。
ここから先(続きを読む)で公開:
- 3社同時挑戦の実際の合成合格確率を、注意力分散を織り込んで再計算
- 1社の失敗が、他の2社にも波及する「メンタル連鎖」の実話
- 3社同時挑戦は、なぜ「1社での失敗パターン」を3倍発生させるのか
- 1社に集中したときに何が変わるか(注意力・時間・メンタルの全てが集約される話)
- 「合格したら次のプロップへ」の、ステップアップ戦略