えんむすびAI 開発ストーリー 第11回 ― 利確はどこで(バスケットでまとめて閉じる発想)
前回(第10回)で、ナンピンを計画的に並べる話をしました。では、ためた建玉をどこで利確するのか。一つずつ閉じる? いいえ。えんむすびAIは、並べた建玉をぜんぶ1つの「かご(バスケット)」とみなして、まとめて閉じます。これがナンピンと相性のいい、地味だけど大事な出口の考え方です。
ナンピンで何本も買い下がると、建玉ごとに買った値段はバラバラです。これを一つずつ、それぞれのTP(利確ライン)で閉じようとすると、困ったことが起きます。
浅い玉はすぐ利確できても、深く拾った玉は大きな戻りがないと利益にならない。バラバラに閉じていくと、せっかく買い下がって平均建値を下げた意味が、ほとんど活きません。「平均を下げる」工夫と「個別に閉じる」出口は、じつは噛み合わないのです。
そこで発想を変えます。並べた建玉を1つのかごにまとめ、「かご全体の平均建値」を基準にする。そして、価格がその平均からひと幅ぶん順行したら、かごごと全部を一度に閉じる。
ここでナンピンが効いてきます。買い下がったぶん平均は下がっているので、ほんの少し反発するだけで、かご全体がプラスに浮く。深い玉も浅い玉も、まとめて一度に利確できます。出遅れて拾う→平均が下がる→小さな戻りで全体が浮く――この流れが、えんむすびの出口の芯です。
個別利確:深い玉は大きな戻りが要る → 平均を下げた意味が薄い
バスケット利確:平均からひと幅で全部まとめて利確 → ナンピンの良さが活きる
※図はえんむすびAIの「バスケット利確」の考え方を示したイメージです。
かごがプラスに浮いたら、そこですぐ閉じてもいいのですが、伸びる場面では欲しいぶんだけ伸ばしたい。そこで、平均が順行したら高値からトレール(追従)させ、勢いが続くあいだは握り、戻したところでかごごと一括利確します。小さな反発で確実に、伸びる時はトレールで。この二段構えにしているのも、ナンピンで平均をそろえているからこそ素直に機能します。
良いことばかりではありません。「かごが平均からひと幅浮いたら閉じる」ということは、かご全体が含み損のあいだは、出口が来ないということでもあります。全面的で長期的な円高が続けば、平均より上に戻ってこず、利確の合図はなかなか出ません。買い専用・損切りなしという設計の弱点は、出口の作り方を工夫しても消えるわけではない。だからこそ、必ず余裕資金で。これは毎回お伝えします。
- 建玉を一つずつ利確すると、平均を下げたナンピンの良さが活きない
- 全建玉を1つの「かご」とみなし、平均建値からひと幅順行でまとめて利確
- 買い下がりで平均が下がるから、小さな反発でかご全体が浮く
- 浮いたらトレールで伸ばし、戻したら一括利確(二段構え)
- 裏返すと、かごが含み損の間は出口が来ない → 全面円高の弱点は残る・必ず余裕資金で
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。掲載している運用結果は過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。FX・CFD取引はリスクを伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。