【昇金竜】バックテストでは破綻、実運用では無事 ― 差を生んだ「経済指標」の話
バックテストでは破綻、実運用では無事
ふつう、バックテスト(過去検証)の成績は実運用より良く出ます。だから「バックテストで良くても、フォワード(実運用)で崩れる」のが一般的な注意点です。ところが、私のゴールドEA『昇金竜』では逆の現象が起きることがあります。バックテストでは破綻するのに、実運用では破綻していない。同じEA、同じ設定で、なぜ結果が逆になるのか。きょうはその理由を分解します。
最大の理由 ― バックテストは「経済指標」を取得できない
昇金竜には、経済指標の発表前後は自動で新規エントリーを止める機能が標準で入っています。指標発表の瞬間は、価格が飛び、スプレッドも一気に広がります。そこを避けるための仕組みです。
問題は、バックテストではこの指標カレンダーを取得できないこと(MT5の仕様上の制約です)。つまり過去検証では、本来なら見送るはずの「荒れ場」でも、フィルターが働かずにエントリーしてしまいます。
昇金竜は買いを積み増していくタイプです。指標時の急変に無防備に突っ込めば、含み損が一気に深くなる。バックテストでだけ破綻するのは、多くがこれが原因です。実運用では指標フィルターがその場面を避けるため、同じ相場でも結果が変わります。
※イメージ図。バックテストは指標フィルターが働かないぶん、実運用より厳しい結果になりやすい。
もう一つ ― スプレッドとモデリングの差
差を広げる要因はもう一つあります。スプレッドと、ヒストリーの精度です。ゴールドは指標時や早朝にスプレッドが大きく広がりますが、バックテストの設定によっては、その広がり方や1本のローソク足の中の動きを正確に再現できません。
実運用に近い「全ティック・実際のスプレッド」で回すか、ざっくりした「1分足の四本値」で回すかでも、ナンピン系の含み損の出方は変わります。条件がそろっていないバックテストは、実運用より厳しくも甘くも出ます。
これは「検証が甘い」のではなく「厳しすぎる」ケース
ここがポイントです。一般論として警戒すべきは「バックテストが楽観的すぎて、実運用で崩れる」パターン。けれど昇金竜のこの現象は逆で、バックテストが“指標フィルターなし”という最悪条件で回っているために、実運用より厳しい数字が出ています。
だからバックテストの破綻は、「指標を避けられなかった場合の最悪値」として読むのが正確です。実運用ではその場面を避けるぶん、結果が変わってきます。
ただし「実運用なら破綻しない」ではありません
勘違いしてほしくないのは、これは「実運用なら安全」という意味ではないということ。指標フィルターは指標発表を避けますが、すべての急変を防げるわけではありません。週明けの窓(ギャップ)や、想定外の一方向の動きでは、実運用でも深い含み損を抱えることがあります。
昇金竜は買いを積み増す設計です。高いレバレッジや過大なロットで回せば、実運用でもロスカットの危険は十分にあります。余裕資金とロット管理が前提——ここは変わりません。
まとめ ― 数字の裏の「なぜ」を読む
- 昇金竜がバックテストで破綻する主因は、過去検証では経済指標フィルターが働かないこと
- 実運用では指標発表前後に新規を止めるため、同じ相場でも結果が変わる
- スプレッドとモデリング(全ティック/1分足)の差も効く
- =これは「検証が厳しすぎる」ケース。破綻の数字は「指標を避けられなかった最悪値」として読む
- ただし実運用=安全ではない。窓・急変・高レバではリスクが残る。余裕資金が前提
バックテストとフォワードがズレたとき、大事なのは数字そのものより「なぜズレたか」です。その理由が分かれば、どちらの数字をどう信じればいいかが見えてきます。バックテストと実運用の差については、こちらの記事でも詳しく書いています。
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。掲載している運用結果は過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。FX・CFD取引はリスクを伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。