第8弾 トレード前に決めておく——シナリオ作成の5ステップ【SMC実践②】
こんにちは、naoです。
前回(第7弾)では、トップダウン分析とキルゾーンを統合する「フレームワーク」を渡しました。「上位足で方向を決め、中位足でエントリーゾーンを特定し、キルゾーンに入った下位足のトリガーでエントリーする」という流れです。
今回はそのフレームワークを実際に使う手順を渡します。
「わかった気がするけど、チャートを前にすると何をすればいいかわからなくなる」——そういう段階を超えるための記事です。テーマはシンプルです。「トレード前に、シナリオを言語化してチャートに描く」。それだけです。
■ なぜシナリオを事前に作るのか
チャートが動いている最中に判断を下すのは、思っている以上に難しいことです。
価格が急に高値を抜けると「ブレイクアウトか? 乗るべきか?」と焦り、気づけば飛び乗りエントリーをしている。あるいは逆に、ゾーンに価格が入ってきたのに「本当に反転するのか?」と迷っているうちにロウソク足が確定し、乗れないまま終わる。
こういった「動いてから考える」パターンは、感情が判断を歪めるときに起きます。
解決策は単純で、「事前にシナリオを決めておくこと」です。
「アジアレンジ高値の上のBSLを一瞬抜けてから戻したら、M5でCHoCHが出た時点でショートで入る。TP1はEQP付近、TP2はSSL手前。BSLを実体で上抜けして戻らなければシナリオ崩れで見送り」——これをチャートが動く前に決めておく。すると、相場が動いたとき自分がすることは「シナリオと合致しているか」の確認だけになります。判断ではなく、確認です。確認で済む分、判断力は「想定外の動きにどう対応するか」に使えます。
感情が入る余地が減り、「根拠のある判断ができたか」で自分を評価できるようになる。これがシナリオ作成の最大のメリットです。
もう一つ大事なことがあります。シナリオは外れることがある、ということを最初から受け入れておくことです。「外れた=失敗」ではなく、「シナリオ通りに行動した上で、相場が違う動きをした」は正しいトレードです。シナリオなしに感情で入って偶然当たるより、ずっと再現性が高いです。
■ いつ作るか——「自分がトレードするセッションの前に作る」
シナリオを作るタイミングはシンプルです。自分がトレードするセッションの前に、チャートを開いたらまずシナリオを作る(または確認する)。これを癖にしてください。
デイトレード(メイン):朝からチャートを見るなら朝のうちにシナリオを作ります。ロンドンKZから参加するなら、ロンドンKZ前(14:30〜15:00 JSTが目安)に作ります。朝に作っていた場合でも、ロンドンKZ前にアジア時間の動きを踏まえて更新します。「今日はこのゾーンを見て、ロンドンKZでこういう動きが出たら入る」という1日単位のシナリオです。NY時間メインの場合はNY KZ前(19:30〜20:00 JSTが目安)に作ります。ロンドンの値動きを見てから組めるので、アジア+ロンドンでの動きの両方を材料にできます。情報量が多い分、シナリオの精度は上がりやすくなります。
スキャルピング:基本的にデイと同じ流れですが、M15・M5単体のOB+FVGで入ることも多く、エントリーポイントがより細かくなります。上位足のゾーンと重なっていれば信頼度が上がり、SLの置き方も変わってきます。スキャのSL設定については次回の記事で詳しく解説します。
スイングトレード:毎日作り直すものではありません。週足・日足で候補ゾーンが特定できた時点でシナリオを組み、「価格がこのゾーンに来て、4H・1Hで転換サインが出たら入る」という大枠を持って監視を続けます。価格がゾーンに届くまで数日かかることもあれば数週間かかることもある。届いたら低位足に降りてエントリータイミングを計ります。
本記事ではデイをメインに解説します。
■ シナリオ作成の5ステップ(デイトレード)
第7弾のフレームワークをそのままシナリオ作成の手順に変えたものです。トレード前にこの5ステップを順番にこなすだけで、シナリオが自然に出来上がります。
ステップ① 方向を確認する(DOLを特定する)
まず上位足を見て、「相場は今どちらへ向かっているのか」を確認します。確認するのは2点です。現在のトレンド方向と、DOL(Draw On Liquidity=価格が次に引き寄せられる流動性の場所)です。
▼ トレンド方向の確認
週足・日足・4Hで直近のBOS・CHoCHを見て、HL/HH(上昇)またはLH/LL(下落)の継続か転換かを判断します。
▼ DOLを特定する
流動性は高値の上にも安値の下にも常にあります。高値の上にはBSL(買い側流動性=ショートのSLやブレイクアウト買い注文)、安値の下にはSSL(売り側流動性=ロングのSLやブレイクアウト売り注文)が溜まっています。どちらをDOLとして採用するかを決めるのがトレンド方向です。上昇トレンドなら上のBSLがDOL、下降トレンドなら下のSSLがDOL。価格はDOLの方向に引き寄せられやすくなります。
▼ DOLの厚さを見る
DOLの候補が複数ある場合、流動性が厚そうなレベルほど引力が強くなります。目安になるのは「重なりの数」です。同じ価格帯に何度も高値/安値がついている(例:5,040付近に3回高値がある)、前日の高値/安値と重なっている、ラウンドナンバー(5,000や5,050などきりのいい数字)と近い——こういった要素が重なるほど、その裏側にSLや逆指値が厚く積み上がっていると推測できます。逆に、一度しかつけていない高値/安値は流動性が薄い可能性があり、DOLとしての信頼度は下がります。
▼ 時間足の方向が食い違うとき
時間足によって方向が食い違うことがあります。
例えば日足は上昇構造だけど4Hは下降構造、という場面。日足のHL(直近の押し安値)をまだ割っていないなら、4Hの下げは日足の上昇トレンド内の「押し」です。デイトレーダーなら4Hの方向(売り)に従ってSSLをDOLとして採用しますが、「どこまで追うか」の目安は日足のHL付近です。そこを超えて追い続けると、日足の上昇トレンドに巻き込まれるリスクが出てきます。一方、日足のHLを割り込んだ場合は日足自体がCHoCHとなり、日足も4Hも下降構造で揃います。そうなるとDOLは日足レベルのSSLまで広がります。
もう一つ、日足・4Hが上昇構造だけど1H以下が下降構造、という場面もあります。この場合、1Hの下げはさらに短期的な押しです。スキャなら1Hの方向(売り)でSSLをDOLにできますが、デイなら4Hの押し目買いゾーンまで引きつけて買いを狙う方が自然です。1Hの下げは「エントリーゾーンに価格が来るまでの過程」として見て、DOLは上のBSL(トレンド方向)を採用します。
この確認で「今日の目線(買いか売りか)」と「ターゲットの価格帯」が決まります。
ステップ② 4H・1Hでエントリーゾーンを特定する
次に中位足に降りて、エントリーゾーンを絞り込みます。
ここで整理しておきます。ステップ①の「方向・DOL」、このステップ②の「エントリーゾーン」、そしてステップ⑤で出てくる「エントリートリガー」は、それぞれ見る時間足が違います。
DOLで大きな方向とターゲットを決め、下の時間足でエントリーゾーンを絞り、さらに下の時間足でトリガーを待つ、という構造です。違いはゾーンとトリガーの幅で、私はゾーンをやや広めに見ています。トリガー足はトレーダーによって異なります。1Hのプライスアクション(ピンバーなど)がトリガーになることもあれば、M15 CHoCH後にM5 FVGで精度を上げて入ることもあります。私はM15をメインにしています。本記事ではデイ(DOL=日足・4H、ゾーン=4H・1H・M15、トリガー=M15メイン)で解説を進めます。
売り目線ならプレミアムゾーン(EQP=0.5より上)にあるベアリッシュOBを、買い目線ならディスカウントゾーン(EQP=0.5より下)にあるブリッシュOBを探します。OBにFVGが重なっていれば信頼度が上がります。さらにフィボナッチのOTEゾーン(0.705〜0.786)と重なっていれば、より精度の高いゾーンと判断できます。
このステップで「今日はこのゾーンを狙う」という価格帯が決まります。
ステップ③ シナリオの材料を集める
ステップ①②で方向とゾーンが決まりました。次に、シナリオを組むための材料を集めます。第7弾までで説明してきた概念がここで全部つながります。
直前セッションの値動き:アジアレンジの高値・安値、ロンドンの値動き。直前の流れが次のセッションの起点になる
流動性の溜まり場所:直前セッションのレンジ高値付近のBSL、安値付近のSSL
構造の変化:トレード開始前に下位足でBOS・CHoCHが出ていないか
OB+FVGゾーンの状態:ステップ②で特定したゾーンが未テストか、テスト済みか
経済指標カレンダー:FOMC、CPI、雇用統計など大きな指標がある日はシナリオを見直す材料になる
材料はこれだけではありません。未埋めのFVG、プレミアム/ディスカウントの位置、前日・前週の高値/安値、エントリーゾーンまでの距離なども判断材料になります。材料集めだけで1本の記事が書けるくらい奥が深いテーマですが、最初はこの5つを押さえておけば十分です。全部が揃う必要もありません。集めた材料をもとに、次のステップでシナリオを組みます。
ステップ④ シナリオを複数組む——どのパターンがあり得るかを考える
材料が揃ったら、「こう来たらこう入る」というシナリオを複数組みます。シナリオは1つだけではなく、メインとサブを持っておくのが実践的です。
例えばロンドンKZ前に売り目線で、アジアレンジ高値の上にBSLが溜まっている場合、以下のようなシナリオが考えられます。
シナリオA(Judas
Swing狙い):③で確認したアジアレンジ高値付近のBSLの溜まりを根拠に、ロンドンKZ開始直後にそのBSLをスイープ(上への一時的な突き上げ)してから反転下落。スイープを確認してからショートエントリー。
シナリオB(直接下落):③で確認した下位足の構造変化(M15のベアリッシュBOSなど)を根拠に、スイープなしにそのまま下落が始まる。BOSからの戻り(下落中に新しく形成されたOB+FVG)でショートエントリー。
シナリオC(分岐点超え→目線切り替え):「ここを上抜けたら構造が変わる」というレベルを実体で超えた場合、売りシナリオを捨てて上目線に切り替える。分岐点の例としては、4HのスイングハイやCHoCHの起点、スイープされずに素通りした高値などがあります。
A・Bが外れてもCの分岐点に届いていなければ、材料を集め直して新しいシナリオを組みます。全部外れたら無理にエントリーせず、次のキルゾーンを待ちます。大事なのは「外れたときにどうするか」まで事前に決めておくことです。
ステップ⑤ 具体的な数値を確定し、チャートに描く
最後に、ステップ④で組んだシナリオに具体的な数値を入れて仕上げます。①〜④で考えてきたことを、ここで「いつ・どこで・どう動くか」に落とし込みます。
シナリオごとに、以下の4点を言語化してください。
エントリー条件:「○○のゾーンに価格が来て、自分が想定しているトリガー(例:M5のベアリッシュCHoCH、ピンバー、BOSからの戻りなど)が出たらショートで入る」
TP(利確ライン):「TP1は△△、TP2は□□、TP3(あれば)は◇◇」。目安はステップ①で特定したDOLです。DOLまでの途中にFVGやOBがあれば部分利確のポイントになります。例えば「TP1=EQP(4,997)、TP2=DOLのSSL手前(4,975)、TP3=SSL(4,967)」のように段階的に設定します。
SL(損切りライン):「エントリーゾーンの上端(または下端)○○PIPS外」
無効化条件:「エントリー前に○○の価格を実体で抜けてきたらシナリオ崩れで見送り(またはドテン検討)」。エントリー後はSLが機能するので、ここで言う無効化条件はエントリー前の判断基準です。
これをシナリオA・B・Cそれぞれで作ります。文章にする必要はなく、メモ書きで構いません。最初から全シナリオ分を完璧に書き出す必要はありません。まずはメインシナリオ1つで慣れて、余裕が出てきたらサブや分岐点のシナリオを足していく——そのくらいの気楽さで始めてください。慣れれば全部で10〜15分程度です。
おすすめは、メモに書いてPCのモニター横に貼っておくことです。「方向はショート」「ゾーンは○○〜○○」「トリガーが出なければ見送り」——これだけでもチャートに向かったときの迷いが全然違います。注意事項(「FVG上抜けで撤退」など)も一緒に貼っておくと、感情で判断がブレるのを防げます。私も最初はそうやっていました。今はチャート上の矢印だけで頭に入るようになりましたが、始めたばかりの頃は付箋がないと迷走してました。
言語化したら、チャート上に矢印で描いてみてください。「ここまで上がって→ここで反転して→ここまで落ちる」という流れを視覚化します。矢印の角(折れ曲がるポイント)は、既存のOBやFVG、またはこれからできるであろうOB+FVGを想定したもので、そこがTPの候補にもなります。私はいつもTradingView上で複数のシナリオを矢印で描いています。言葉だけだと抽象的になりがちなシナリオが、チャートに描くと「どの価格帯で」「どういう流れで動くか」が具体的に見えてきます。
赤いボックスは重要と判断したゾーン。①は少し戻してからの下落、②は直近の抵抗帯からの下落、③はその上の抵抗帯からの下落、④は下降構造が否定される抵抗を上抜けてからの上昇。
大切なのは「動く前に決めておく」ことです。
■ 実例:土曜に作成した次週のシナリオ——GOLD 3/16〜3/20の下落
「5ステップってわかったけど、実際にどう使うの?」という疑問に答えるため、2026年3月14日(土)に私が次週のGOLDシナリオを組んだ過程を再現します。この実例は、tundereシリーズをご利用の方向けに配信を始めた週次GOLD特別解説の第1回(3/15配信)から抜粋したものです。
デイトレーダーでも、土日に上位足で来週の方向とゾーンを確認しておくのは基本です。平日にチャートを開いたとき、ゼロから分析するのと大枠ができている状態で始めるのとでは判断のスピードが全く違います。
【土曜(3/14)】5ステップを一気に回す
① 方向とDOLの確認
金曜の引け値は5,019。週足・日足は大局的に上昇トレンド継続中(日足HL=約4,270付近が守られている限り上昇構造は崩れない)。ただし4Hでは2026年1月29日の最高値5,598.32からCHoCH確定後、LH(5,419)を形成して下降構造に転換していました。4Hスイングロー(4,401)は未更新のためBOSは未確定ですが、直近の高値が切り下がっている以上、売り目線が優位です。1Hも下降構造。
「日足大局は上だが、4H・1Hが下降構造→目線は売り」と判断。DOLは下方のSSL。具体的には、2/17の安値(日足フィボ0.382=4,856付近)の下に流動性が溜まっていると予測し、価格はそこに引き寄せられると考えました。途中の4H FVGゾーン(4,941〜4,980)はTP候補です。
② エントリーゾーンの特定
4HフィボのEQP(4,999.91)が現在値から約200PIPSの位置。来週最大の焦点はこのEQPを割れるかどうかです。
1H・M15に降りてエントリーゾーンを探すと、5,050〜5,080付近に4H FVGがあり、その中の5,063〜5,071付近に1H FVG下限・M15 OB上限・M15 FVGが重なっていました。4H FVGの中で1H・M15の重複が効いているMTF confluenceゾーンです。EQP割れ後の反発がこのゾーンで止まれば、ショートのエントリーゾーン候補になります。
③ 材料集め
・4H・1Hがともに下降構造。M15もベアリッシュBOS確認済み→3タイムフレームが売りで揃っている
・今週の安値5,009.72はEQPまで約100PIPS。月曜の動き出しで方向が決まる
・上空には1H OB + FVG(5,207〜5,224付近)が天井として残存。反発してもこのゾーンが蓋になる
・EQPはフィボ0.5=プレミアム/ディスカウントの境界。割れれば「ディスカウントからさらに下」へ向かう構造
・週明け月曜にEQPにどう接近するかで「スイープ(一旦割ってから戻す)」か「実体割れ→そのまま続落」かが分かれる
④ シナリオを複数組む
シナリオA(EQP割れ→戻り売り・本命):EQPを実体で割り込み、4H FVGゾーン内の1H OB(4,960〜4,975)で反発。反発が②で特定したエントリーゾーン(4H FVG内の5,063〜5,071付近)で止まれば、下位足トリガーを待ってショート。TP1:4,941(4H FVGゾーン下端)、TP2:4,856(日足フィボ0.382)
シナリオB(EQP反発→上でゾーン売り):EQPが一時的に機能して反発するケース。②のエントリーゾーン(5,063〜5,071付近)、またはさらに上の5,120〜5,137付近で戻り売り。TP1:5,019(直近安値)、TP2:4,999(EQP)、TP3:4,960(4H FVGゾーン付近)
分岐点:最低でも4H FVG(5,050〜5,080)を上抜けないと上目線にはならない。その上の4Hフィボ0.618(5,137付近)を実体で上抜けた場合→下落シナリオを撤回
⑤ 数値確定+チャートに描く
シナリオA(本命:EQP割れ→4H FVG内で戻り売り)
エントリー条件:EQP割れ後、4H FVGゾーン内の1H OB(4,960〜4,975)で反発→反発が②のエントリーゾーン(4H
FVG内の5,063〜5,071付近)で失速→M15〜M5で下位足トリガー(ベアリッシュCHoCH、ピンバー、BOSからの戻りなど)を確認→ショート
TP1:4,941(4H FVGゾーン下端)
TP2:4,856(日足フィボ0.382)
SL:反発高値(LH)の上
無効化条件:エントリー条件を満たさず、反発が4H FVG上端(5,080)を実体で上抜けして定着した場合
シナリオB(EQP反発→上でゾーン売り)
エントリー条件:反発がMTF confluenceゾーン(5,060〜5,080付近、または5,120〜5,137付近)に到達→M15〜M5で下位足トリガー(ベアリッシュCHoCH、ピンバー、BOSからの戻りなど)を確認→ショート
TP1:5,019(直近安値)
TP2:4,999(EQP)
TP3:4,960(4H FVGゾーン付近)
SL:ゾーン上限の上
無効化条件:ゾーンを実体で上抜け
分岐点超え
条件:4H FVG(5,050〜5,080)を上抜け、さらに4Hフィボ0.618(5,137付近)を実体で上抜けた場合(実質5,140超え)→下落シナリオ撤回、ロング検討
チャートに矢印で描いたのが下の画像です。①は1H OB(4,960〜4,975)で反発→5,070付近まで戻るパターン。②は1H OBで止まらず1H FVG・4H OB付近(4,930付近)まで下落→5,020付近まで反発するパターンです。②は下落途中にOBやFVGが形成される想定で、その戻りを売る形です。
実際の展開
3つのシナリオのうち、機能したのはシナリオA(上記図)でした。
月曜(3/16):EQP(4,999.91)を実体で割り込み、安値4,967まで下落。4H FVGゾーン内の1H OB(4,960〜4,975)に到達しました。①で想定した下落目標4,975に近い水準です。
火曜(3/17):4H FVGゾーン内で反発。戻り高値は5,044付近。①で予測した5,070には届かず、シナリオAのエントリーゾーン(5,063〜5,071)にも届きませんでした。3/17の直近高値を超えられず、高値は切り下がっていました。
水曜(3/18):高値切り下げが続き、3/16の安値も更新しない横横の展開。15:30頃にアジアレンジ高値(5,016付近)をスイープしたように見えたため、16:15まで様子を見て5,009でショートエントリー。その後ロンドン終盤(18:00 JST頃)から急落が始まり、FOMCを控えたロング解消が入って4H FVGゾーン下端(4,941)を突破。さらにPPI上振れ(0.7%
vs 予想0.3%)で利下げ期待が後退→ドル高、翌日のFOMCでは据え置き+2026年利下げ見通しが2回→1回に縮小(タカ派シフト)となり、4,502まで下落。TP1(4,941)・TP2(4,856)をともに到達し、さらにその先まで伸びました。
シナリオBと分岐点超えは出番なし——準備した3つのうち1つだけが機能した週です。ただし、その1つがTP2を大きく超える結果を出しました。
予測と結果を整理します。
・①の下落目標:4,975 → 実際:4,967(ほぼ的中)
・①の戻り予測:5,070 → 実際:5,044(届かず、約260PIPSの誤差)
・②の下落方向:0.382(4,856)以下 → 実際:4,502(TP2を大幅超過)
方向・下落の深さ・戻りの幅、この3つがおおむね合っていました。
ただし、シナリオ通りにエントリーできたかというと、できていません。シナリオAのエントリーゾーン(5,063〜5,071)には価格が届かなかった。実際にエントリーしたのは、高値切り下げ+アジアレンジ高値スイープというリアルタイムの判断でした。
これも大事な教訓です。土曜にシナリオを作っておいたからこそ「売り目線」がブレなかった。エントリーゾーンには届かなくても、方向感が定まっていれば別の根拠でエントリーする判断ができます。逆にシナリオがなければ、横横の相場を見て「もう動かないのでは」と諦めていたかもしれません。
シナリオは「その通りに入ること」だけが目的ではなく、「方向感と判断基準を持った状態でチャートに向かうこと」が本質だと思います。
■ naoの本音:シナリオを立てないと1ミリも成長しない
正直に言うと、今の私はメモを書いていません。ステップ⑤で付箋をおすすめしましたが、あれは最初の頃に実際にやっていた方法です。今はシナリオが頭に入っていますし、何よりTradingViewのチャートに矢印を描いて残しています。実例で見せた①②の矢印がまさにそれです。方法は付箋でもチャートの矢印でも何でもいい。
伝えたいのはもっとシンプルなことです。
シナリオ通りにやって負けても、それは血肉になります。「ここで入ると決めていた→入った→負けた→なぜ負けたか検証できる」。この一連の流れが次のトレードの精度を上げます。
でも、シナリオを立てずに入ったトレードからは何も残りません。勝っても「なぜ勝てたか」がわからない。負けても「何が間違っていたか」がわからない。振り返りようがないから、同じ失敗を繰り返す。1ミリも成長しない。
シナリオを立てることは勝率を上げる魔法ではなく、自分のトレードを検証可能にする仕組みです。検証できるから改善できる。改善できるから成長する。逆に言えば、シナリオなしのトレードをいくら繰り返しても、その先には何もありません。
■ これをやると失敗する——シナリオ作成でよくある3つの間違い
① シナリオに縛られすぎて目の前の相場を見ない
シナリオを立てること自体は正しい。でも「シナリオのゾーンに届くまでは絶対に入らない」と決めつけてしまうと、目の前で起きている値動きを無視することになります。今回の実例がまさにそうで、エントリーゾーン(5,063〜5,071)には届きませんでした。でも高値は切り下がり、アジアレンジ高値をスイープした——売りの根拠は十分にあった。シナリオを遵守することに固執していたら、このエントリーはできていません。シナリオは「方向感と判断基準を持つため」のものであって、「それ以外のエントリーを禁止するルール」ではありません。相場は毎回シナリオ通りに動くわけではない。大事なのはシナリオで方向感を持った上で、目の前の値動きに柔軟に対応することです。
② 動き出したらシナリオを忘れて飛び乗る
ロンドンKZが始まって価格が急に動くと、「シナリオのゾーンには来ていないけどこのまま行くんじゃないか」と感じて飛び乗ってしまうことがあります。私も何度もやりました。結果はほぼ決まっていて、飛び乗った直後に押し返されて損切り。動いているときこそシナリオに立ち返る、という習慣が再現性を生みます。
③ シナリオに「分岐点」を入れていない
シナリオを作るとき、エントリー条件・TP・SL・無効化条件は決めた。でも「構造が変わる分岐点」を決めていない——これもよくあるミスです。
私は両方向のシナリオを作ります。例えば下落トレンドなら下落シナリオを複数作りますが、同時に「ここを上抜けたら上昇構造に変わる」という分岐点も決めています。分岐点を超えたら下落シナリオを捨てて、上のシナリオに切り替える。
分岐点がないと、構造が変わったときに対応できません。崩れたシナリオにしがみついて「戻るはず」と耐え続けるか、慌てて逆方向に飛び乗るか。どちらも感情的な判断です。「ここを超えたら構造が変わる」というレベルを事前に決めておけば、切り替えもシナリオの一部になります。
■ まとめ:今日の3大ポイント
① シナリオは動く前に作る。動いてから考えると感情が入る。「ここに来て、これが出たら入る」を事前に決めることで、相場が動いたときの行動が「確認」になる。ただし、シナリオ通りの場面が来なくても方向感があれば別の根拠で判断できる。大事なのは「根拠のある判断ができたか」で自分を評価すること。
② 5ステップは順番に回すだけ。①方向とDOLの確認 → ②エントリーゾーンの特定 → ③シナリオの材料集め → ④シナリオを複数組む → ⑤言語化してチャートに描く。トレード前にこの流れを回せば、シナリオは自然に出来上がる。
③ シナリオ通りにやって負けても、それは血肉になる。シナリオがあれば「なぜ負けたか」を検証できる。検証できるから改善できる。シナリオなしのトレードは勝っても負けても何も残らない。成長したいなら、まずシナリオを立てることから始める。
次回はエントリーモデルの実践を解説します。「OBに価格が来た→どう入るか」「OBが効かなかった→どうするか」「入った後のSLはどこに置くか」——エントリーから損切りまでを一気通貫で体系化します。
引き続きよろしくお願いします!
最後まで読んでくれてありがとうございます。記事が本当に役に立っているかどうかはコメントかフォローの数でしか知れません。無料なので課金データもない。あなたのフォローが次の記事をもっとよくする一番のエネルギーになります。米はやっと値下がりし始めましたがフォローはずっと0円ですw
─────────────────────────
【著者プロフィール】
─────────────────────────
nao|FX専業トレーダー歴16年・EA開発者
SMC/ICTを軸にGOLDのスキャ・デイトレに特化。
トレードを続ける中で「正しく読めてもメンタルでブレる」という問題に直面し、
裁量エントリー×EA自動管理のハイブリッドツール「tundere【R】」を開発。
損切りの恐怖をなくし、順行時に利益を最大化する仕組みを
ゴールドトレーダー向けに提供しています。
▶ tundere【R】の詳細はこちら
https://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/71019?via=toppage_recentViewed
Is it OK?