ICTの主要4戦略を日本時間で徹底解説
—夏時間・冬時間の差異も完全対応（JST）—
本稿では、Inner Circle Trader（ICT）系で最も実践例が多いとされる「4つの代表的戦略」を、図解を交えながら詳細に解説します。各戦略が機能しやすい“キルゾーン”の時刻は、日本時間で示し、米国の夏時間（DST）適用期と非適用期の両方を併記しました。

概観：4つの代表的ICT戦略
#戦略名コア概念典型エントリー根拠
1Fair Value Gap (FVG)急伸で生じた価格の“不均衡ギャップ”へ回帰[1]
ギャップ埋め戻しで反発を狙う
2Power of Three (PO3)アジア時間で“蓄積”→キルゾーンで“操作”→NY/London Closeで“分配”[2]
操作段階の騙し抜け後に順張り
3Liquidity Sweep ＆ Order Block高値/安値の“ストップ刈り”後、機関投資家の注文塊で反転[2]
ストップ刈り＋強い転換足確定でOBへリミット指値
4Silver BulletNY午前の30 分間だけに絞った超短期モメンタム捕捉[1]
9:30–10:00 JST 換算ゾーン内の内部構造ブレイク

戦略1 ― Fair Value Gap (FVG)
仕組み
1本目と3本目のローソク足間に“窓”が空く3本構成で発生。[1]
市場は流動性均衡を取り戻すため、後にそのギャップを埋めに来やすい。
日本時間キルゾーン対応
FVGはロンドンとNYの高ボラ時間に発生しやすいため、以下の時間帯を監視します。
セッション夏時間 (3月第2日曜〜11月第1日曜)冬時間
ロンドンKill Zone15:00–19:00 JST[3][4]
16:00–20:00 JST
NY Kill Zone20:00–23:00 JST[3][4]
22:00–1:00 翌日JST

エントリー例：17:30 JSTにロンドンでFVGが出現 → プルバックでギャップ50%へ指値、ストップはギャップ外、リスクリワード1:2。

戦略2 ― Power of Three (PO3)
3段階の流れ
1.Accumulation（蓄積）：東京〜アジア時間で狭いレンジ形成。
2.Manipulation（操作）：ロンドンKill Zoneでレンジ上位/下位のストップを刈る。[2]
3.Distribution（分配）：NY Kill Zoneへ向けて本命方向にトレンド走行。
時刻換算
•蓄積：8:00–15:00 JST
•操作：上表ロンドンKill Zone
•分配：NY Kill Zone
トレード指針：ロンドンでレンジ上抜け→反転急落確認後、NY Kill Zoneに向けショートを仕掛ける。

戦略3 ― Liquidity Sweep & Order Block
コア概念
市場が明確な高値/安値をブレイクし、リテールのストップを吸収後に急反転。この転換点でOrder Block（最後の上昇陰線/下降陽線）に資金が集中しやすい。[5][2]
重要時間帯
ロンドンとNYのオーバーラップは刈り取り＋反転が頻発。
•夏時間：20:00–23:00 JST
•冬時間：22:00–1:00 JST
セットアップ：NY Kill Zoneで前日高値をヒゲ抜け→5分足で大陰線確定→直前陽線の50%に戻り売り指値、ストップはヒゲ高値上。

戦略4 ― Silver Bullet
特徴
NY株式オープン後最初の30分間（現地8:30–9:00 EST）に価格が急伸・急落しやすい現象。[1]
JST換算夏時間冬時間
シルバーバレット21:30–22:00 JST22:30–23:00 JST

実装例：21:30 JST直後の5分足でFVG＋内部構造ブレイク発生→即時成行エントリー、10–15 pipsを高速利食い。

キルゾーン早見表（JST）
Kill Zone夏時間 (DST)冬時間 (非DST)主な戦略適合
アジア8:00–11:00同左PO3(蓄積)
ロンドン15:00–19:0016:00–20:00FVG, PO3(操作)
NY20:00–23:0022:00–1:00FVG, Liquidity Sweep, PO3(分配)
London Close23:00–1:000:00–2:00利確・反転監視

まとめの活用ポイント
•時間厳守：DST切替日に注意しJST換算を毎年更新。
•複合判断：FVG＋Liquidity Sweepなど複数概念の重複で勝率向上。
•統計検証：各Kill Zone内の平均値幅をペアごとに計測し、最適TP/SLを決定。
以上の4戦略を、自身のバックテスト環境に落とし込み、JST表示チャートにアラートを設定すれば、実戦投入の準備は完了です。